中国依存度の低い銘柄一覧|国内需要が中心の日本株14選と見極め方【2026年】

中国依存度の低い銘柄一覧|国内需要が中心の日本株14選と見極め方【2026年】
中国依存度の低い銘柄一覧|国内需要が中心の日本株14選と見極め方【2026年】
投資銘柄とトレンド

中国依存度の低い銘柄一覧を探していると、「中国での売上が少ない企業を選びたい」「日中関係が悪化しても影響を受けにくい日本株はどれだろう」と気になりますよね。中国市場への売上依存が大きい企業と、国内のお客さまを主な収益源とする企業では、想定すべきリスクが異なります。

ただし、中国向け売上が少なくても、仕入れや設備、訪日観光客を通じて中国とつながっている場合があります。この記事では2026年時点の企業開示を確認する入口として、国内需要中心の日本株14銘柄を比較し、中国依存度の調べ方と投資判断の注意点を整理します。

  1. 中国依存度の低い銘柄一覧|国内事業が中心の日本株14選
    1. 「中国向け売上が少ない」と「中国への依存が小さい」は違います
    2. 一覧の並び順はおすすめ順位ではありません
  2. 鉄道株は中国向け輸出が少ない業態を探す候補
    1. 東京地下鉄(9023)|都市生活の利用者が収益基盤
    2. JR東海(9022)|東海道新幹線の需要に注目
    3. JR東日本(9020)・京王電鉄(9008)|沿線需要と観光需要を分けて考える
    4. JR九州(9142)|鉄道だけでなく不動産・流通も見る
  3. 通信株のKDDI・ソフトバンクは国内契約収入が中心
    1. KDDI(9433)|国内通信に加えて海外法人事業を確認
    2. ソフトバンク(9434)|ソフトバンクグループと混同しない
  4. 電力・ガス株は国内販売中心でも輸入と海外投資に注意
    1. 関西電力(9503)|地域の電力需要と発電構成が重要
    2. 九州電力(9508)|国内電気事業の動きを確認しやすい
    3. 東京ガス(9531)|国内販売と海外資源事業を別々に評価
  5. 地方銀行・国内小売株も中国リスクを抑える調査候補
    1. 千葉銀行(8331)|中国売上比率より貸出先の内容を見る
    2. ふくおかフィナンシャルグループ(8354)|地域経済の強さも評価対象
    3. コメリ(8218)|国内店舗でも中国からの仕入れがあり得る
    4. サンドラッグ(9989)|生活必需品の需要と調達を分ける
  6. 中国売上高比率の調べ方|数字がない場合の扱いも重要
    1. 有価証券報告書の地域別売上高で確認する
    2. 「アジア」と書かれていても中国比率とは限らない
    3. 売上高と同時に営業利益・現地資産を調べる
  7. 中国依存度が低くても残る4つのリスク
    1. 輸入品・部品の供給が止まるリスク
    2. 訪日観光・取引先を通じて影響が広がるリスク
    3. 世界景気・為替による株価の連動リスク
    4. 中国以外のリスクに偏ってしまう問題
  8. 中国関連銘柄との比較で見える判断ポイント
    1. 中国売上比率の高い企業と低い企業は値動きの理由が違う
    2. 中国依存の低減を進める会社も選択肢になる
  9. 銘柄選びで確認したい数字と投資の考え方
    1. 売上の地域だけでなく利益率と財務の強さを見る
    2. PER・PBR・配当利回りは同業種と比較する
    3. 業種を分け、購入時期も分散する
  10. 中国依存度の低い銘柄に関するよくある疑問
    1. 中国売上高比率が何%以下なら低依存ですか?
    2. 国内売上100%なら中国リスクはありませんか?
    3. 中国依存が低い株ならNISAで買っても安心ですか?
  11. まとめ|中国依存度の低い銘柄は国内需要と間接リスクをセットで確認

中国依存度の低い銘柄一覧|国内事業が中心の日本株14選

中国依存度を抑えたいなら、中国向け販売を成長の柱とする企業より、日本国内の交通・通信・生活インフラ・地域金融などから収益を得る企業を優先して調べる方法が現実的です。まずは業態から候補を絞り、その後で各社の開示資料を照合します。

次の14社は、国内需要が事業を理解するうえで重要になる「調査候補」です。中国売上高比率を全社同じ条件で比較したランキングではありません。中国の売上比率が一定水準以下と確認済みの14社、という意味でもありません。

銘柄(コード) 主な国内事業 確認したい中国関連リスク
東京地下鉄(9023) 東京の地下鉄・駅関連 中国からの訪日客減少、設備調達
JR東海(9022) 東海道新幹線など 出張・旅行需要、資材調達
JR東日本(9020) 鉄道・駅商業・不動産 インバウンド、設備投資
京王電鉄(9008) 首都圏鉄道・沿線事業 ホテル宿泊需要、建設費
JR九州(9142) 九州の鉄道・不動産・流通 海外観光需要、建設費
KDDI(9433) 国内通信・金融関連 通信機器調達、海外法人事業
ソフトバンク(9434) 国内通信・決済・メディア 端末調達、海外関連事業
関西電力(9503) 電気・ガスの供給 燃料・設備調達、海外投資
九州電力(9508) 九州中心の電力事業 燃料価格、海外発電事業
東京ガス(9531) 都市ガス・電力 LNG調達、海外上流事業
千葉銀行(8331) 地域の預金・貸出 中国関連融資、市況悪化
ふくおかFG(8354) 九州中心の銀行業 取引先の中国依存、信用リスク
コメリ(8218) 国内ホームセンター 中国製商品の仕入れ
サンドラッグ(9989) 国内ドラッグストア等 商品調達、原材料価格
一覧は2026年10月時点の業態と公表資料を参考にした候補集です。「中国売上高比率が0%」「中国関連損失が発生しない」という認定ではありません。数値が非開示の場合は推測で埋めず、確認できないものとして扱います。

「中国向け売上が少ない」と「中国への依存が小さい」は違います

企業の中国依存度には、大きく分けて販売先、生産・仕入先、資産や投資先という三つの面があります。国内で鉄道運賃や通信料金を受け取る会社は、中国景気による売上への直接的な影響を比較的小さくしやすいと考えられます。

しかし、鉄道の部品、スマートフォン、日用品、発電設備などを中国から調達していれば、物流の混乱や輸入制限で費用が上がる可能性があります。中国事業の売上が小さいことだけを根拠に、安全だと決めつけない姿勢が重要です。

一覧の並び順はおすすめ順位ではありません

鉄道会社と銀行では売上高の意味も、リスクの出方も異なります。したがって、一つの数値で14社に順位を付けると、むしろ判断を誤るおそれがあります。表では、国内の顧客から収益を得る仕組みがわかりやすい企業を、業種ごとに並べました。

購入の優先順位を決めるなら、中国向け売上に加え、現在の株価、利益の成長性、借入負担、配当の持続可能性を確認する必要があります。中国との関係が薄いという理由だけで、割高な株を買うことは避けたいところです。

鉄道株は中国向け輸出が少ない業態を探す候補

鉄道会社は主に日本国内の移動を支える事業です。海外工場で生産した製品を中国企業に販売する製造業とは、売上が発生する仕組みが違います。ただし、鉄道各社は観光・ホテル・不動産事業も持つため、事業全体で確認しましょう。

東京地下鉄(9023)|都市生活の利用者が収益基盤

東京メトロを運営する東京地下鉄は、首都圏の通勤・通学・買い物などの日常的な移動を支えています。中国国内で商品を販売することが主な事業ではないため、中国景気との直接的なつながりが比較的わかりやすい候補です。

もっとも、観光客の利用もあり、訪日旅行の減少は無関係ではありません。さらに、人件費や修繕費、設備投資負担は国内の要因だけでも変動します。中国関連リスクの小ささと業績の安定性を同じものとして考えないことが大切です。

最新の会社情報は東京メトロのIR情報で、月次旅客運輸収入や決算資料と合わせて確認できます。

JR東海(9022)|東海道新幹線の需要に注目

JR東海は東海道新幹線を中心とした国内の運輸事業が重要な収益源です。日本国内の出張・帰省・観光に関連する需要が事業を左右するため、中国での製品販売に依存する企業とは異なる投資対象として考えられます。

とはいえ、新幹線は旅行やビジネスの景況感に影響されます。訪日客の動向だけでなく、日本企業の出張抑制や大型投資による資金負担にも注意が必要です。収益の地域よりも、どのような利用目的の乗客が中心なのかを見ると理解が深まります。

事業別の数字はJR東海の決算説明会資料から確認できます。

JR東日本(9020)・京王電鉄(9008)|沿線需要と観光需要を分けて考える

JR東日本は鉄道に加え、駅の商業施設やホテル、不動産などを展開しています。2026年3月期の連結営業収益は3兆846億円で、鉄道以外にも収益源があることが特徴です。JR東日本の業績ハイライトには事業別の動きが掲載されています。

京王電鉄も首都圏沿線の移動を中心としながら、ホテルや不動産などに事業を広げています。どちらも国内基盤が強みですが、観光地への移動やホテル宿泊は訪日客の増減に左右されます。「鉄道の定期券収入」と「観光関連収入」の違いを意識すると、中国経済の影響をより具体的に考えられます。

JR九州(9142)|鉄道だけでなく不動産・流通も見る

JR九州は鉄道のほか、不動産、流通・外食、建設など複数の事業を持ちます。九州の人口動向や旅行者の動き、再開発による収入が重要になるため、単純な輸出企業とは収益構造が異なります。

九州の観光地には海外からの旅行者も訪れます。中国からの観光客が減ってもすべての需要が消えるわけではありませんが、地域の観光景気には波及する可能性があります。JR九州の決算短信・説明会資料で運輸と不動産などの構成を比べましょう。

通信株のKDDI・ソフトバンクは国内契約収入が中心

通信料金は国内の日常生活や企業活動に深く関わっています。中国向け製品販売の比率を気にする投資家にとって、国内通信を事業の基盤に持つ企業は調査対象になります。ただし、会社全体では通信以外の事業も拡大しています。

KDDI(9433)|国内通信に加えて海外法人事業を確認

KDDIは国内の携帯通信や固定通信を基盤に、金融・法人向けサービスなどを提供しています。2026年3月期の連結売上高は6兆719億円でした。国内の月額通信料金という継続的な収入がある点は、中国景気への直接依存を抑える観点で注目できます。

しかし、法人向けデータセンターなど海外と関係する事業もあり、中国向け売上比率が低いと無条件に断定できるものではありません。スマートフォンやネットワーク機器の仕入れも、中国を含む国際的な供給網と関係します。2026年3月期のKDDI公式決算情報を確認し、国内通信以外が拡大していないかを見ることが大切です。

ソフトバンク(9434)|ソフトバンクグループと混同しない

通信会社のソフトバンク(9434)は、携帯通信、法人向けサービス、メディア・EC、金融などを展開しています。2026年3月期の売上高は7兆387億円で、国内通信が事業理解の重要な部分を占めます。生活インフラに近いサービスを持つ点は候補に挙げる理由です。

一方、メディア・金融など海外との接点がある事業も含まれます。特に投資会社であるソフトバンクグループ(9984)とは株式も事業構成も別です。中国への投資リスクを判断するときに両社を取り違えると、大きく見方が変わります。ソフトバンクの2026年3月期決算説明会要旨でセグメント別の状況を確認しましょう。

電力・ガス株は国内販売中心でも輸入と海外投資に注意

電力会社やガス会社は、日本国内の家庭・企業にエネルギーを届ける事業が中心です。中国の消費市場への依存を避けたい場合には検討しやすい一方、輸入燃料の価格、為替、国際情勢によって利益が変動する特徴があります。

関西電力(9503)|地域の電力需要と発電構成が重要

関西電力は国内の電気・ガス供給が主要事業の一つです。中国の消費者向け製品売上が成長の中心という企業とは異なり、国内の電力需要を軸に分析できます。ただし、原子力発電所の稼働状況や燃料調達コスト、電力市場価格が業績を大きく変える可能性があります。

海外の電力関連事業もあるため、「中国売上が少なそうだから業績は安定」と考えるのは早計です。業績を見る際は関西電力のIR情報で、国内外の事業と発電費用の説明を確認するのがよいでしょう。

九州電力(9508)|国内電気事業の動きを確認しやすい

九州電力は九州を中心とした電力供給が事業の柱です。会社が公表した2026年3月期決算では、国内電気事業の小売販売収入の減少などにより、連結売上高が前年度比4.7%減の2兆2,472億円となりました。これは中国景気だけでは説明できない、国内事業特有の要因が重要であることを示しています。

国内需要中心でも燃料価格や規制、発電設備の稼働状況は無視できません。海外発電などの投資先も確認する必要があります。九州電力の2026年3月期決算発表には主要な増減要因が示されています。

東京ガス(9531)|国内販売と海外資源事業を別々に評価

東京ガスは日本国内の都市ガスや電力販売を行う一方、海外でのエネルギー事業にも取り組んでいます。中国向けの売上を避けたいという点では国内基盤が参考になりますが、LNGなどの燃料調達は国際価格や輸送状況の影響を受けます。

つまり、中国向け売上が限定的でも、別の国のエネルギー市況による損益変動は残ります。東京ガスの統合報告書で国内外の事業構成や投資方針を確認し、中国リスクと燃料リスクを分けて判断しましょう。

地方銀行・国内小売株も中国リスクを抑える調査候補

地域金融や国内小売は、海外の顧客向け売上を主な収益源としない企業を探しやすい分野です。ただし、銀行は融資先、小売は仕入先を通じた間接的な中国依存があるため、事業名だけで判定しないことが重要です。

千葉銀行(8331)|中国売上比率より貸出先の内容を見る

千葉銀行は千葉県など地域の個人や企業に金融サービスを提供する地方銀行です。製造業のように中国への製品輸出額を見て依存度を測るより、どこに融資し、どのような資産を持っているかでリスクを確認するほうが適切です。

例えば、取引先企業が中国向け輸出に強く依存していれば、景気悪化で返済に影響が出る場合があります。外国債券など保有有価証券のリスクも別に存在します。千葉銀行の2026年3月期決算資料で貸出金、与信費用、保有資産の変化を確かめましょう。

ふくおかフィナンシャルグループ(8354)|地域経済の強さも評価対象

ふくおかフィナンシャルグループは福岡銀行などを傘下に持ち、九州を中心とした銀行業を展開しています。国内地域金融の比重が高いことから、中国の消費市場への直接販売を減らしたい投資家にとって比較対象になります。

もっとも、九州には輸出関連の工場や国際取引を行う企業もあります。融資先の業績悪化、国内金利の変化、貸倒れの増減に目を向ける必要があります。同社のIRライブラリーで銀行別の業績や融資関連情報を確認できます。

コメリ(8218)|国内店舗でも中国からの仕入れがあり得る

コメリは国内でホームセンターを展開し、園芸用品や日用品、住まいに関する商品を販売しています。国内の消費者を相手にした小売業のため、中国国内での販売が主軸かどうかという観点では候補に挙げられます。

ただし、店舗で売る商品の生産国は別問題です。中国からの仕入れが多ければ、関税、物流費、人民元や円の為替変動などが利益に影響する可能性があります。コメリの決算情報で粗利益率や在庫、仕入れに関する説明を確認することが大切です。

サンドラッグ(9989)|生活必需品の需要と調達を分ける

サンドラッグは国内のドラッグストアやディスカウントストアを中心とする事業を展開しています。医薬品・日用品・食品などの国内販売が中心という特徴は、中国市場への販売依存を避けたい場合の比較材料になります。

その反面、商品に使われる原材料や包装資材、店舗設備などには海外調達が関係します。店舗数が増えても人件費や仕入れ価格が上昇すれば利益率は下がるため、国内需要だけを見て安全と判断するのは適切ではありません。サンドラッグのIR資料室で決算と月次実績を合わせて見ましょう。

中国売上高比率の調べ方|数字がない場合の扱いも重要

本当に中国依存度の低い銘柄を比較したいなら、企業開示の「地域別売上高」が出発点になります。ただし、すべての企業が中国単独の数値を公表しているわけではないため、わからない数字は「非開示」として区別する必要があります。

有価証券報告書の地域別売上高で確認する

上場企業の有価証券報告書には、セグメント情報の注記として地域別売上高などが掲載される場合があります。中国の欄が独立していれば、原則として「中国向け売上高÷連結売上高×100」で比率の目安を求められます。

例えば連結売上高が1兆円、中国向け売上高が500億円なら、中国売上比率は5%です。ただし、販売先所在地で集計した数値と、子会社の所在地で分けた数値では意味が違います。計算前に注記の集計基準を確認しましょう。

有価証券報告書は金融庁のEDINETから確認できます。まず会社名や証券コードで検索し、最新の書類を開く方法が確実です。

「アジア」と書かれていても中国比率とは限らない

地域別売上高が「日本」「北米」「アジア」「欧州」などの区分だけで示される会社があります。このときアジア売上のすべてを中国売上とみなすのは誤りです。台湾、韓国、東南アジアなどを含む場合があるためです。

逆に「中国」の区分がないからといって中国売上がゼロとはいえません。販売代理店を通した取引や、他地域の顧客を経由する商流もあります。中国単独の比率を開示していなければ、数字を断定しないことが資料の正しい読み方です。

売上高と同時に営業利益・現地資産を調べる

中国の売上比率が小さくても、中国事業が高利益率なら、撤退時の利益への影響は売上比率以上になる可能性があります。また、中国で工場や不動産などの資産を持っている場合は、事業環境の変化で減損損失が出ることも考えられます。

チェックしたいのは、中国売上高の割合、現地事業の利益、中国にある生産拠点や設備、調達先、今後の投資計画の五点です。企業サイトの決算説明資料に加え、東証上場会社情報サービスでも過去の開示資料を探せます。

中国依存度が低くても残る4つのリスク

中国市場でほとんど商品を売っていない企業でも、中国経済や日中関係の変化から完全に切り離されることはありません。投資する前に、直接売上以外の影響経路を整理しておきましょう。

輸入品・部品の供給が止まるリスク

国内販売が中心の小売会社でも、商品や包装材を中国から調達していれば、輸送遅延や供給不足が起きた際に仕入れ価格が上昇します。通信会社や鉄道会社でも、設備の部品などに国際的な供給網が使われています。

経済産業省の通商白書2025もサプライチェーンの強さを重要なテーマとして扱っています。売上が国内向けかどうかだけでなく、欠かせない部材をどこから入手しているかに注目しましょう。

訪日観光・取引先を通じて影響が広がるリスク

中国から日本に来る旅行者が減れば、ホテルや商業施設、鉄道などに影響する可能性があります。旅行客を直接の顧客に持つ企業はもちろん、テナント収入に頼る不動産事業も間接的に影響を受けます。

銀行の場合、融資先の製造業やサービス業の業績が悪化することで信用コストが増えるかもしれません。国内顧客が中心であっても、その顧客の経済活動が中国と結びついている場合は影響が及び得ます。

世界景気・為替による株価の連動リスク

中国経済への不安が強まる局面では、投資家が日本株全体の保有を減らすことがあります。中国向け売上の少ない会社でも、市場全体の売りに巻き込まれて株価が下がる可能性があります。

しかも、円高や円安の影響は会社によって異なります。海外調達が多い企業には円高がコスト面で有利になることもありますが、ほかの事業や保有資産の動きが逆に働く場合もあります。株価の短期変動と本業の業績変化は分けて考えましょう。

中国以外のリスクに偏ってしまう問題

鉄道株ばかり買えば、設備投資負担や人口減少、災害に関するリスクが重なります。電力株に集中すれば、燃料価格や規制変更、発電所の稼働停止などの影響を複数銘柄で同時に受けるかもしれません。

中国依存度を下げるために同じ業種だけへ資金を集めると、別の種類のリスクが大きくなります。中国リスクを減らすことと、投資全体のリスクを減らすことは同じではありません。

中国関連銘柄との比較で見える判断ポイント

なぜ国内需要型の銘柄が候補になるのかを理解するには、中国で売上を伸ばしてきた企業と比べるのが役立ちます。ただし、中国売上の大きさ自体が悪いわけではありません。市場規模が大きいことは成長機会にもなります。

中国売上比率の高い企業と低い企業は値動きの理由が違う

電子部品や化粧品など、中国市場に大きな顧客基盤を持つ企業は、中国国内の需要変化が直接売上や利益に反映されやすくなります。例えば中国売上比率に関する2025年の分析記事では、TDK、村田製作所、資生堂などが比較対象として取り上げられています。

ただし、そこで示される2024年度の比率を2026年現在の数字として使うのは適切ではありません。製造拠点の移転、事業売却、為替変動などによって割合は変わるため、最新の会社開示と照合する必要があります。

中国依存の低減を進める会社も選択肢になる

現在の中国売上比率が高くても、生産拠点や販売先を分散させている企業があります。その場合は、現時点で中国事業が小さい会社とは区別し、「これから依存を減らしていく会社」として評価するのが適切です。

拠点を増やすと供給網が強くなる可能性はありますが、新工場の設備投資や立ち上げ費用が利益を圧迫することもあります。「中国から撤退する」という見出しだけではなく、移転後の生産能力や費用、収益への影響まで見る必要があります。

銘柄選びで確認したい数字と投資の考え方

中国依存度の低さは銘柄を探すための条件の一つにすぎません。投資先として適切かどうかは、将来の収益と現在の株価を一緒に見て判断します。特に内需株は、安定して見えるからこそ割高で買わないことが大切です。

売上の地域だけでなく利益率と財務の強さを見る

最初に営業利益率や営業キャッシュフローを確認します。営業キャッシュフローは本業などの活動で実際に生み出した資金を表す数字です。利益が出ていても、設備投資や借入返済に必要な資金が多ければ、自由に使えるお金は限られます。

鉄道や電力は設備投資が大きく、銀行は貸出先や保有有価証券の健全性が重要です。同じ指標をすべての会社に当てはめるのではなく、業種に合った資料を読みましょう。直近1年だけでなく、数年間の利益変動も参考になります。

PER・PBR・配当利回りは同業種と比較する

PERは株価が1株当たり利益の何倍か、PBRは株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。配当利回りは株価に対する年間配当金の割合です。いずれも数字が低い、あるいは高いだけで優良株と判断できるものではありません。

配当目的なら、利回りだけでなく配当性向、利益、資金繰り、今後の設備投資を確認したいところです。高利回りでも業績が悪化して減配すれば、期待した収入は得られません。比較するときは同業他社や過去の水準を基準にすると違いをつかみやすくなります。

業種を分け、購入時期も分散する

中国向けの売上が少ないという理由で、一度に数社を買う必要はありません。通信、交通、地域金融など事業の仕組みが異なる銘柄を比べれば、同じニュースへの反応が違うこともあります。ただし、複数保有すれば必ず損失を防げるわけではありません。

すでに日本株を多く保有している場合は、海外の株式や債券、現金との全体バランスも確認しましょう。中国リスクを減らした結果、日本国内の景気や金利に資産が偏りすぎないかが重要です。購入を急がず、決算発表などのタイミングで評価を更新する方法も考えられます。

中国依存度の低い銘柄に関するよくある疑問

銘柄一覧を見たあとに迷いやすいのは、数値の境界と実際の投資での扱いです。よくある疑問を整理します。

中国売上高比率が何%以下なら低依存ですか?

すべての業種に共通する公的な基準はありません。比較のために5%以下、10%以下など自分で目安を置くことはできますが、その数値は投資家が設けた便宜的な基準です。公表された中国売上高がなければ、厳密に判定できません。

また、売上比率が5%でも、中国の工場に重要な生産工程が集中していれば、供給停止時の影響が大きい可能性があります。割合と事業上の重要性の両方を見る必要があります。

国内売上100%なら中国リスクはありませんか?

ありません、とはいえません。国内でしか販売していなくても、部品や商品の仕入れ先が中国ということはあり得ます。さらに、世界的な株安や原材料高による影響も受けます。

反対に、中国売上が一定割合あっても、供給網が分散しており財務が健全な企業もあります。国内売上の比率は有力な手がかりですが、それだけで会社全体の安全性を示すわけではありません。

中国依存が低い株ならNISAで買っても安心ですか?

NISAは一定の条件で投資利益を非課税にできる制度ですが、損失を防ぐ制度ではありません。中国依存が低くても株価は下がりますし、配当が減ることもあります。NISAでの購入を考える際も、投資目的、保有期間、資金の余裕に合うかを確認してください。

短期的な政治ニュースへの反応だけを狙うより、企業が数年にわたって利益を生み出せるか、現在の株価がその見通しに見合うかを基準に考えるほうが、判断の軸を持ちやすいでしょう。

まとめ|中国依存度の低い銘柄は国内需要と間接リスクをセットで確認

まとめ
まとめ

中国依存度の低い銘柄を探すなら、東京地下鉄やJR各社などの鉄道、KDDIやソフトバンクなどの通信、国内の電力・ガス、地域金融、国内小売といった分野が調査の入口になります。いずれも国内需要を理解することが事業分析の重要な部分を占める銘柄です。

ただし、ここで挙げた14社は中国売上比率の低さを数値で証明したランキングではありません。中国売上高が非開示の会社もあり、輸入調達、観光需要、取引先の業績、海外投資などの間接的な影響も残ります。

候補を絞ったら、最新の有価証券報告書や決算説明資料で地域別売上高・仕入れ・現地資産を確認し、最後に利益の質と株価水準を比べるという順番がおすすめです。中国リスクを下げることだけに偏らず、資産全体の分散も意識して判断しましょう。

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