防災関連銘柄にはどのような企業があり、今から投資先として検討するなら何を見ればよいのでしょうか。地震や豪雨への備え、老朽化したインフラの補修、防災情報のデジタル化など、防災と関わる事業は幅広くあります。
ただし、災害が増えるからといって、すべての関連企業の利益や株価が上がるわけではありません。この記事では、代表的な防災関連銘柄9社の事業内容と違い、2026年時点の政策背景、業績を確かめる方法、買う前に知っておきたいリスクをわかりやすく整理します。
防災関連銘柄はどれ?代表的な9社と選び方の結論

防災関連銘柄を選ぶなら、「何の災害対策で、誰から、どのように売上を得る会社なのか」を最初に確認するのがおすすめです。ひとくちに防災といっても、橋の補修工事を行う会社と、災害時の安否確認システムを販売する会社では、収益の生まれ方も株価が動く理由も異なります。
以下は、防災・減災に関わる具体的な事業を持つ国内上場企業の例です。順位や将来の値上がりを示すものではなく、投資先を比較するための候補一覧としてご覧ください。
| 企業名(証券コード) | 主な防災関連事業 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| ショーボンドHD(1414) | 橋梁・トンネルなどの補修、耐震補強 | 維持補修工事の受注と利益率 |
| 不動テトラ(1813) | 地盤改良、液状化対策、海岸保全 | 地盤工事の採算と公共投資 |
| ベルテクスコーポレーション(5290) | 防災向けコンクリート製品、斜面対策 | 製品需要、原材料費、施工量 |
| 応用地質(9755) | 地盤調査、災害リスク評価、防災計画支援 | 防災・インフラ事業の採算 |
| ウェザーニューズ(4825) | 気象予測、企業向け気象リスク情報 | 法人向け契約と収益性 |
| アジア航測(9233) | 航空測量、災害調査、地理情報システム | 官公庁案件と受注の時期 |
| モリタHD(6455) | 消防車、消火設備、防災機器 | 消防車両の販売と他事業の動向 |
| 帝国繊維(3302) | 消防ホース、救助資機材、防災車両 | 防災関連製品の販売構成 |
| トヨクモ(4058) | 法人向け安否確認クラウド | 契約数、継続率、全社の利益 |
公共工事の流れを重視するならインフラ補修・地盤対策
道路、橋、河川堤防、港湾などの対策は、国や自治体による予算と中長期の整備計画に影響されます。ショーボンドHD、不動テトラ、ベルテクスコーポレーションは、それぞれ補修、地盤、資材という異なる立場からこの分野に関わっています。
工事は計画から発注、完成まで時間がかかるため、予算が増えた直後に売上が一気に増えるとは限りません。逆に、老朽化した施設の補修は災害が起きなくても必要です。目先のニュースより、継続的な受注を重視する人に向いた比較対象といえます。
防災のデジタル化に注目するなら情報サービス
被害予測、地形データ、気象予報、従業員の安否確認などは、災害が起きる前から利用されるサービスです。応用地質、ウェザーニューズ、アジア航測、トヨクモなどが関連します。
この分野は、大型の工事用機械を持つ企業とは費用の構造が異なります。ただし、デジタル化という言葉だけで成長企業とは判断できません。システムの導入企業が増えているか、顧客が利用を続けているか、売上増加が利益増加につながっているかを確認する必要があります。
インフラ整備・地盤対策に関わる防災関連銘柄

災害への備えでは、すでにある施設を壊れにくくする工事と、危険な土地の状態を改善する工事が重要です。こうした企業は、災害直後の復旧需要だけでなく、平常時の予防工事や設備更新から仕事を得る場合があります。
ショーボンドホールディングス(1414)|橋梁などの補修・補強
ショーボンドグループは、橋梁やトンネルをはじめとする社会インフラの補修・補強を専門に手がけています。新しい施設を一から造る仕事ではなく、既存の構造物を長く安全に使うための調査、設計、施工、補修材料の製造・販売などが中心です。
道路橋の落橋防止や耐震対策に関わる製品・工法も扱っており、地震対策とインフラ老朽化対策の両方に関係します。災害の発生を待つのではなく、点検結果を踏まえた予防保全の需要が見込まれる点は、同社を考えるうえで大切な特徴です。
もっとも、補修需要が増えても、作業員不足や工期の長期化で利益が圧迫される可能性があります。決算では受注高だけでなく、完成工事の利益率、受注残高、人員確保の状況を合わせて確認するとよいでしょう。事業内容はショーボンドHD公式サイトでも確認できます。
不動テトラ(1813)|地盤改良・液状化対策
不動テトラは、土木事業、地盤改良事業、ブロック事業を展開する会社です。特に地盤改良は、建物や道路などを支える地面の強度を高め、沈下や液状化の被害を抑える目的で行われます。液状化とは、地震の揺れによって地盤が一時的に液体のような状態になり、建物の傾きなどを引き起こす現象です。
港湾や海岸に関わる土木・ブロック分野もあり、地震と水害の両面で国土保全に関係しています。ひとつの工法だけを見て判断するのではなく、どの事業が売上と利益を生み出しているかを分けて考えることが重要です。
工事案件には大型案件特有の進み具合や原価の変動があるため、契約獲得のニュースだけで収益を推測するのは早計です。事業ごとの受注状況と採算の推移を確かめましょう。不動テトラの事業紹介に各分野の説明があります。
ベルテクスコーポレーション(5290)|防災資材と斜面対策
ベルテクスコーポレーションのグループは、コンクリート二次製品や杭に関する製品・工事、防災製品などを扱っています。道路や河川などで使われる製品に加え、斜面防災事業にも関わっているため、土砂災害や施設の強化を考えるときの候補です。
資材を製造・販売する会社では、工事を直接受注する会社と異なり、製品の出荷量や単価が業績を左右します。公共工事が活発でも、原材料費や輸送費の上昇が販売価格へ十分に転嫁できなければ利益は伸びにくくなります。
防災関連製品を扱っていることと、全社の売上の大部分が防災であることは同じではありません。決算資料で事業別の構成を確認し、需要増加が実際の数字に現れているかを見るのが適切です。同社のIR情報でも事業内容を確認できます。
予測・計測・情報配信を担う防災関連銘柄

災害による被害を少なくするには、危険な場所を事前に把握し、変化を観測して、必要な情報を早く届ける仕組みも欠かせません。この領域では、調査や情報提供という形で収益を得る企業が候補になります。
応用地質(9755)|地震・津波の被害予測と地盤調査
応用地質は、防災・インフラ、環境・エネルギー、国際事業を展開しています。防災分野では、地盤・地質調査に加え、地震や津波などの被害予測、防災計画の策定支援、災害リスク評価、監視システムの提供などに取り組んでいます。
道路や建物の工事が始まる前の調査、自治体の防災計画、施設の点検といった幅広い場面に関係する点が特徴です。防災対策を実施する企業だけでなく、その計画や診断を支える企業も投資対象となることがわかります。
ただし、調査業務は人員や専門技術に支えられるため、仕事の量が増えても人件費や外注費が上がれば利益率が低下する可能性があります。防災・インフラ事業の売上と営業利益、受注の推移を見て判断しましょう。応用地質の公式事業紹介が参考になります。
ウェザーニューズ(4825)|気象予報と法人向け防災情報
ウェザーニューズは、気象情報の提供を通じて、個人の生活だけでなく企業の業務判断を支援しています。たとえば、台風や大雨が迫る際に、運行、物流、施設管理などの判断を早められることは企業側の防災対策につながります。
2026年には法人向け「ウェザーニュース for business」に安否確認機能を追加するなど、予報を伝えるだけでなく災害前後の対応を支援するサービスも進めています。防災関連のデジタルサービスを考えるうえで、注目できる動きです。
もっとも、利用者数の増加がそのまま利益増加を意味するわけではありません。法人向けサービスの利用拡大、研究開発・人件費、海外展開を含む全社業績も見る必要があります。法人向け安否確認機能の発表を確認できます。
アジア航測(9233)|航空測量と災害情報の可視化
アジア航測は、航空機やドローンなどを使った測量、空間情報の分析、インフラや国土保全のコンサルティングを行っています。災害が発生した際に被災地の状況を撮影・計測する業務のほか、平常時の斜面点検や河川・砂防計画などにも関わります。
災害情報システム「ALANDIS」など、地図上に情報を整理して行政機関の判断を支える分野もあります。目に見える防災設備だけでなく、被害を把握するためのデータにも需要があることを示す企業です。
官公庁向けの事業では、発注時期によって四半期ごとの売上が偏る場合があります。一時期の決算だけで業績を決めつけず、通期見通しや受注残高、事業の利益率を合わせて見ましょう。アジア航測の事業紹介に具体的なサービスが掲載されています。
消防・安否確認を手がける防災関連銘柄

災害に備える需要は、公共インフラに限りません。消防機関による設備更新、企業の防災訓練、従業員の安全確認などにも継続的な支出が生まれます。この分野では、製造業とクラウド企業を区別して考えると比較しやすくなります。
モリタホールディングス(6455)|消防車と消火設備
モリタグループは、消防車輌、防災、産業機械、環境車輌の4分野で事業を展開しています。消防ポンプ車、はしご車、救助工作車などの消防車輌を扱うほか、消火器などの防災機器や消火設備にも関わっています。
消防車の購入や更新は、災害が起きた日だけに決まるものではありません。自治体などの設備更新計画に沿って需要が生まれるため、計画的な購入や保守の動きが重要になります。
注意したいのは、消防・防災以外の事業も持つことです。防災分野が好調でも、別部門の業績によって全社の利益が変わる場合があります。車両の納入時期による変動も含め、セグメントごとの売上と利益を確認しましょう。モリタHDの公式事業紹介に各部門の説明があります。
帝国繊維(3302)|消防ホースや防災資機材
帝国繊維は、消防用ホース、防災・救助資機材、防災車両、消防被服などを扱っています。自治体や消防機関だけでなく、企業の防災担当者が使用する製品にも関わる点が特徴です。
消防ホースは非常時だけ使うものと思われがちですが、日常の点検、訓練、交換も必要です。したがって、防災関連商品の需要を見る際には、大災害の後だけではなく、設備の更新サイクルや販売先の予算も確認することが役立ちます。
売上が大きく伸びた年があっても、特別な大型納入が重なった可能性があります。翌年も同じ売上水準が続くと決めつけず、継続的な製品需要と一時的な案件を区別しましょう。取り扱い製品は帝国繊維の公式サイトで確認できます。
トヨクモ(4058)|企業向け安否確認サービス
トヨクモは、企業向けに複数のクラウドサービスを提供しています。そのひとつが「安否確認サービス2」です。災害が起きたとき、従業員の安全状況を確認し、その後の連絡や判断につなげるために使われます。
同社は2026年7月、安否確認サービス2の契約数が5,000契約を突破したと発表しました。企業が防災対策をシステムとして導入する流れを考えるうえで、参考になる事例です。ただし、契約数の増加だけでは、全社の株価が割安かどうかは判断できません。
トヨクモは安否確認以外のクラウド製品も展開しています。投資する際は、安否確認サービス単体の話題だけでなく、全社の売上成長率、利益率、契約の継続状況、株価に織り込まれた成長期待を確認する必要があります。2026年7月の公式発表を参考にできます。
2026年に防災関連銘柄が注目される背景

防災関連株への関心が高まる理由には、災害のニュースだけでなく、国による長期的な整備計画があります。ただし、政策の規模と個別企業の利益をそのまま結びつけないことが大切です。
国土強靱化の計画が2026年度から新たな期間に入った
内閣官房が公表する「第1次国土強靱化実施中期計画」は、2026年度から2030年度までの5年間を対象としています。大雨や大規模地震への備えに加え、老朽化対策、防災に関わるデジタル技術の活用などを進める方針です。
計画では、重点的に推進する施策の事業規模について、おおむね20兆円強を目途としています。ただし、この数字は特定の業界や上場企業に一括して支払われる金額ではありません。複数分野の施策を含む事業規模であり、実際の年度別予算、発注内容、受注企業はそれぞれ異なります。
投資判断に使うなら、「防災予算が大きい」という情報だけでなく、対象が河川なのか橋梁なのか、調査・設備なのかシステムなのかを確認し、その企業の仕事と対応させる必要があります。内閣官房の中期計画で基本方針を確認できます。
事前防災とデジタル防災の両方に政策需要がある
国の防災関連施策では、避難所や避難路の整備、備蓄の充実、災害時の情報共有など、さまざまな対応が対象になっています。2026年度の防災関係予算案の資料にも、避難所環境の改善やデジタル防災技術の利用促進が示されています。
ここから考えられるのは、工事会社だけが防災関連の恩恵を受けるとは限らないという点です。設備の製造販売、地図・気象データ、連絡システムなどにも発注・契約機会がある一方、実際にどの企業の収益につながるかは個別に調べなければなりません。
また、政策の公表と予算成立、入札、実際の納入は別の段階です。計画だけを根拠に翌四半期の大幅増益を期待しないことが重要です。
災害後の復旧需要と平常時の備えは性格が違う
災害直後には道路の復旧や土砂の撤去、設備交換などの緊急需要が生まれる場合があります。しかし、被災地域で活動する企業自身の工場や人員が被害を受けることもあり、需要増加が必ず利益増加につながるわけではありません。
一方、点検や維持補修、企業の安否確認システムの利用は、災害が起きていない時期にも必要です。長期投資では、災害が起きなくても継続する売上がどの程度あるかを重視する見方が合理的です。
防災関連株を買う前に確認したい4つの注意点

事業内容に納得できても、現在の株価で買う価値があるかは別の問題です。特にテーマ株はニュースで短期間に注目が集まりやすいため、事業の強さと投資価格を分けて判断しましょう。
防災事業の売上比率が小さい企業もある
たとえば、消防設備に関わるメーカーが、同時に産業機械や環境関連の事業も行っている場合があります。防災分野の需要が伸びたとしても、全社売上に占める割合が小さければ、全体の業績に与える影響は限定的です。
決算短信や有価証券報告書の「セグメント情報」を確認し、どの部門が売上と利益を稼いでいるかを見ると、テーマと業績の距離感がわかります。防災関連売上を独立して開示していない企業もあるため、その場合は無理に比率を推定しない方が安全です。
工事会社は受注高と利益率をセットで見る
公共工事の仕事が増えても、建設資材の価格や人件費が上昇すると利益が残りにくくなります。受注高が大きいことと、利益が大きいことは同義ではありません。受注残高は将来の仕事の手がかりになりますが、その全額が直ちに売上になるわけでもありません。
少なくとも、直近数年の売上高、営業利益、営業利益率、受注残高を一緒に見るのがおすすめです。ある年に大型案件が入って好調でも、翌年の数字に反動が出る場合があるため、単年ではなく複数年の推移で判断してください。
好材料でも株価がすでに割高な場合がある
防災関連銘柄として注目を集めると、業績が増える前に期待だけで株価が上がることがあります。そこで役立つのがPER(株価が1株利益の何倍か)やPBR(株価が1株純資産の何倍か)といった指標です。
ただし、PERが低い企業が必ず割安というわけではありません。利益が一時的に大きい年はPERが低く見えますし、成長期待が高い企業ではPERが高くなることもあります。同業他社との比較、利益の安定性、成長率を組み合わせて検討しましょう。
同じ防災関連株でも、建設会社とクラウドサービス会社をPERの数字だけで単純比較しない方が、判断を誤りにくくなります。
小型株は出来高と値動きに注意する
株式市場で話題になる銘柄のなかには、取引がそれほど活発でない小型株もあります。出来高が少ない銘柄では、売買注文が偏ると株価が大きく動いたり、希望する価格で売却しにくくなったりします。
災害や政策の見出しを見て慌てて買うより、普段の出来高、買値と売値の差、値動きの大きさを確認しておきましょう。特に短期売買をする場合、株価の予想だけでなく「思った価格で売れるか」も大切な判断材料です。
目的別に考える防災関連銘柄の選び方

「結局どれがよいのか」は、投資期間とどの程度の値動きを受け入れられるかで変わります。9社を同じ基準で順位づけするより、投資目的に合う事業モデルから候補を絞る方法が実用的です。
長期で考えるなら継続する補修・更新需要を見る
数年単位の長期投資なら、橋梁の維持補修を扱うショーボンドHDや、地盤対策を行う不動テトラなどについて、災害の有無に左右されにくい受注の有無を確認する方法があります。消防車などの更新需要があるモリタHDも、設備の更新サイクルを考える際の比較対象です。
ただし、いずれも安定した株価を保証するものではありません。公共事業の配分、工事費、設備投資の時期、他部門の収益によって数字は変わります。配当目的なら、配当利回りだけでなく、利益や現金収支に対して配当を無理なく支払えているかも確認してください。
成長性を重視するなら契約数より利益の伸びを確かめる
企業のデジタル防災に注目するなら、トヨクモの安否確認サービスやウェザーニューズの法人向けサービスが候補になります。サービス契約の積み上がりは将来の収益を考える材料ですが、開発費や広告費、人員増加も伴います。
契約数、売上成長率、営業利益率、解約状況などを継続して追うことが重要です。伸びているサービスがあっても、全社の利益が伴わない段階では株価の変動が大きくなる可能性があります。単に「防災DXだから成長する」と考えず、数字で確かめましょう。
初心者なら分散投資と購入タイミングも考える
防災関連株だけを複数買っても、公共投資や国内景気の変化にまとめて影響される可能性があります。異なる社名の株を保有するだけで、十分に分散できているとは限りません。資産全体では、業種や地域の異なる投資先を組み合わせる方法もあります。
個別株はNISAの成長投資枠でも対象となり得ますが、対象外の銘柄もあるため口座で確認しましょう。NISAの非課税メリットは損失を防ぐ仕組みではなく、NISA口座で出た損失は課税口座の利益と損益通算できません。金融庁のNISA案内も参考にしてください。
初めて検討する場合は、一度に全額を投じるのではなく、決算発表や株価の水準を見ながら購入額を抑える方法も選択肢です。買う理由と、想定が外れたときの対応を事前に決めておくと判断しやすくなります。
防災関連銘柄についてよくある疑問

防災という社会的な必要性の高いテーマでも、株価の動きは単純ではありません。疑問になりやすい点を、投資判断に結びつく形で整理します。
大きな地震が起きると防災関連株は上がりますか?
災害のニュースを受けて、復旧工事や防災用品の需要増加を連想した買いが入ることはあります。しかし、どの銘柄も上がるとは限りません。広い範囲で株式市場全体が下落したり、企業の設備や取引先が被災したりする可能性もあります。
短期的な株価の反応と、その後の実際の業績は分けて考えてください。受注の増加があっても、実際の売上や利益に反映するには時間がかかる場合があります。ニュースが出た直後の値動きを、企業価値の上昇と同一視しないことが大切です。
国の防災予算が増えれば関連企業の利益も増えますか?
予算の増額は関連市場にとって追い風になる可能性がありますが、すべての企業への受注が増えるわけではありません。工事やシステムの発注には条件があり、企業ごとの得意分野や受注競争によって結果は変わります。
さらに、受注が増えても採算が悪化すれば利益は伸びません。政策関連のニュースを見た際は、予算の使途、発注主体、対象分野、企業の受注実績の順に確認すると、過剰な期待を避けやすくなります。
防災関連銘柄だけでポートフォリオを組んでもよいですか?
投資目的によって考え方は異なりますが、資産の大部分をひとつのテーマに集中させると、想定外の政策変更や市場環境の変化を受けやすくなります。インフラ関連を数社に分けても、同じ公共投資の流れに左右される場合があります。
防災への関心を投資に反映させたいなら、幅広く分散した資産運用を土台にして、一部でテーマ株を保有するという考え方もできます。その際は、保有割合を決め、定期的に見直すことで、株価が急上昇した銘柄への偏りを抑えやすくなります。
まとめ|防災関連銘柄は事業内容と業績のつながりで選ぶ
防災関連銘柄には、橋梁補修のショーボンドHD、地盤改良の不動テトラ、災害調査の応用地質、気象情報のウェザーニューズ、消防設備のモリタHD、安否確認クラウドのトヨクモなど、さまざまなタイプがあります。重要なのは、会社名を覚えることより、防災に関する需要がどのように売上と利益になるかを理解することです。
2026年度からの国土強靱化実施中期計画は関連分野を考える材料になりますが、計画の規模だけで個別銘柄の値上がりを予測することはできません。事業別の売上、利益率、受注や契約の推移、現在の株価水準を確かめ、投資期間とリスク許容度に合う企業を選ぶのが基本です。
なお、銘柄の事業内容や証券コードは確認時点の情報であり、業績や株価、制度は変わる可能性があります。購入前には必ず最新の決算資料と証券会社の情報を確認してください。


