フリーターとして働いていると、将来の年金や急な出費に対して不安を感じることが多いのではないでしょうか。正社員に比べて収入が不安定になりがちなフリーターこそ、早い段階で資産運用を始めることが大切です。最近では、100円といった少額から投資を始められるサービスが増えており、ハードルは決して高くありません。
この記事では、フリーターの資産運用の始め方を分かりやすく解説します。無理のない範囲で資産を育てるための知識を身につけ、将来の自分を守るための土台作りをスタートさせましょう。専門的な知識がなくても、ポイントを押さえれば着実に一歩を踏み出すことができます。
フリーターの資産運用の始め方における最初の一歩と準備

資産運用を始めようと思っても、いきなり全財産を投資に回すのは危険です。まずは、自分の生活を守りながら、無理なく続けられる環境を整えることから始めましょう。ここでは、投資をスタートする前に必ずやっておきたい3つのステップについて詳しく解説していきます。
家計の現状を正確に把握する
資産運用を始める前に、まずは毎月の収支を把握することが重要です。フリーターの方は月によって収入が変動することも多いため、平均してどれくらいの収入があり、何にいくら使っているのかを可視化しましょう。スマートフォンの家計簿アプリなどを活用すると、手間をかけずに管理できます。
支出の中でも、特に「固定費」に注目してください。家賃や通信費、サブスクリプションサービスなど、毎月決まって出ていくお金を見直すことで、投資に回せる余剰資金を生み出しやすくなります。無理な節約は長続きしませんが、無駄を省くことは将来の資産形成に直結します。
収支のバランスが見えてくると、月にいくらまでなら投資に回しても生活に支障がないかが分かってきます。たとえ月々3,000円や5,000円といった少額であっても、継続して積み立てることが資産運用の基本です。まずは自分の経済状況を冷静に見つめ直すところからスタートしましょう。
生活防衛資金を確保する
資産運用にはリスクが伴います。投資したお金が一時的に減ってしまうこともあるため、生活費のすべてを投資に回すのは絶対に避けなければなりません。そこで必要になるのが「生活防衛資金」です。これは、病気やケガで働けなくなった時や、急な出費が必要になった時のための備えとなる現金のことです。
一般的に、生活防衛資金の目安は生活費の3ヶ月から6ヶ月分程度と言われています。フリーターの方は収入の波があることを考慮し、少し多めに半年分程度の現金を銀行預金に確保しておくと安心です。このお金があることで、市場が暴落した際にも慌てずに投資を続けるメンタルを保つことができます。
生活防衛資金がまだ貯まっていない場合は、投資と並行して貯めていくか、まずは貯金を優先しましょう。万が一の事態が起きた時に、せっかく運用している商品をマイナスの状態で解約するのは非常にもったいないことです。守りのお金を固めてこそ、攻めの資産運用が活きてくるのです。
無理のない少額から投資をスタートする
準備が整ったら、いよいよ投資をスタートさせますが、最初は「少額」から始めることを強くおすすめします。最初から大きな金額を投じると、価格の変動に一喜一憂してしまい、日常生活に支障をきたす恐れがあるからです。まずは数千円程度の、失っても生活が困らない範囲で始めてみましょう。
少額から始めるメリットは、実際の値動きを体験しながら学べる点にあります。本やネットで知識を得ることも大切ですが、自分のお金を動かしてみることで得られる感覚は非常に貴重です。100円から投資信託が買える証券会社も多いため、ハードルは非常に低くなっています。
また、積立投資という手法を選べば、毎月決まった額を自動で投資に回せます。これにより、買うタイミングに悩む必要がなくなり、手間もかかりません。フリーターとしての仕事に集中しながら、裏側でお金に働いてもらう仕組みを作ることが、資産運用の成功に繋がります。
フリーターが活用すべき税制優遇制度の仕組み

効率よく資産を増やすためには、国が用意している税制優遇制度を利用しない手はありません。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、これらの制度を使うとその税金が非課税になります。フリーターの方でも利用できる、代表的な2つの制度について見ていきましょう。
資産運用を有利に進めるための主な制度
・新NISA(少額投資非課税制度)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
新NISA(つみたて投資枠)の活用方法
2024年から始まった新NISAは、フリーターの方にとって最も使い勝手の良い制度です。特に「つみたて投資枠」は、長期的に資産を築くのに適しています。最大のメリットは、運用で得た利益がずっと非課税になる点です。通常であれば利益の2割を税金として差し引かれますが、新NISAなら丸ごと受け取れます。
また、新NISAは柔軟性が高いのも特徴です。急にお金が必要になった場合、いつでも運用している商品を売却して現金化することができます。収入が不安定になりやすいフリーターにとって、いざという時に資金を引き出せる仕組みは非常に大きな安心感に繋がるはずです。
月々の積立金額も自由に変更できるため、今月は余裕があるから多めに、来月は出費が多いから少なめに、といった調整も可能です。まずはネット証券などでNISA口座を開設し、少額の積立設定を行うことから始めてみてください。長期的な視点で見れば、この小さな一歩が大きな差を生みます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリットと注意点
iDeCo(イデコ)は、自分で作る年金制度です。毎月一定の金額を積み立てて運用し、60歳以降に受け取ります。最大のメリットは、積み立てた金額がすべて所得控除の対象となり、所得税や住民税が安くなることです。フリーターとして働いて納税している場合、毎年の節税効果が期待できます。
ただし、iDeCoには「60歳まで原則として引き出せない」という大きな注意点があります。将来のための資金を強制的に貯められるという点ではメリットですが、生活費に余裕がない状態で始めると、困った時に引き出せず苦労する可能性があります。そのため、まずはNISAを優先し、余裕が出てきたらiDeCoを検討するのが一般的です。
また、iDeCoは口座の維持手数料が毎月かかる点にも注意が必要です。少額すぎる積立だと、手数料負けしてしまう可能性もあります。自分の所得状況や将来のプランを考慮しながら、NISAとのバランスを考えて活用することが大切です。老後の備えを盤石にしたい場合には非常に強力なツールとなります。
制度の比較と選び方のポイント
NISAとiDeCo、どちらから始めれば良いか迷う方も多いでしょう。判断の基準は「そのお金をいつ使う可能性があるか」です。以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 項目 | 新NISA(つみたて枠) | iDeCo |
|---|---|---|
| 引き出しの制限 | いつでも可能 | 60歳まで不可 |
| 節税メリット | 運用益が非課税 | 掛金が全額所得控除・運用益非課税 |
| 対象者 | 18歳以上なら誰でも | 原則20歳以上65歳未満 |
| 手数料 | 基本的に無料(証券会社による) | 毎月発生する |
フリーターの方の場合、まずは柔軟性の高い新NISAから始めるのがおすすめです。結婚や引っ越し、キャリアチェンジなど、人生の転機でお金が必要になる場面が想定されるからです。iDeCoは、安定した収入が確保でき、老後資金を確実に確保したい段階になってから併用を考えるとスムーズです。
フリーターにおすすめの具体的な投資対象と選び方

制度について理解できたら、次は「何に投資するか」を決めなければなりません。世の中には数多くの金融商品がありますが、初心者が個別の企業の株を選ぶのは難易度が高いです。ここでは、フリーターの方が無理なく、かつ着実に運用できるおすすめの投資対象を紹介します。
投資信託(ファンド)をメインにする理由
初心者におすすめなのが「投資信託(ファンド)」です。投資信託とは、私たち投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用のプロが代わりに株や債券などに投資・運用する商品のことです。1つの投資信託を買うだけで、数十から数千の企業に分散して投資しているのと同じ効果が得られます。
もし1つの企業の株だけを買っていた場合、その企業が倒産すれば資産はゼロに近くなってしまいます。しかし、投資信託であれば一部の企業の業績が悪くても、他の企業がカバーしてくれるため、リスクを抑えることができます。この「分散投資」が、大きな失敗を避けるための鉄則です。
また、投資信託は管理の手間がかかりません。一度積み立ての設定をしてしまえば、あとはプロが銘柄の入れ替えなどを行ってくれます。忙しく働いているフリーターの方にとって、自分の時間を削らずに運用を任せられる投資信託は、非常に相性の良い商品と言えるでしょう。
インデックスファンドで低コスト運用を目指す
投資信託の中でも、特に「インデックスファンド」を選ぶのが賢い選択です。インデックスファンドとは、日経平均株価や米国のS&P500といった、市場の平均的な動き(指数)と同じような成果を目指す商品のことです。手数料(信託報酬)が非常に安く設定されているのが最大の特徴です。
資産運用において、手数料は確実にマイナスとなる要因です。長期で運用すればするほど、わずか0.1%の差が将来的に数十万円の差になって返ってきます。アクティブファンドと呼ばれる「平均以上の利益を目指す商品」もありますが、手数料が高く、必ずしも好成績を収めるとは限りません。
まずは、全世界の株式に広く投資する「全世界株式(オール・カントリー)」や、成長著しい米国企業に投資する「S&P500」に連動するインデックスファンドを検討してみてください。これらは世界経済の成長の恩恵をダイレクトに受けることができるため、長期投資の王道とされています。
ポイント投資で現金を減らさず体験する
どうしても自分のお金が減るのが怖いという方は、まずは「ポイント投資」から始めてみるのも一つの手です。楽天ポイントやdポイント、Vポイントなど、普段の買い物で貯まったポイントを使って投資の疑似体験や、実際の投資信託の購入ができるサービスが増えています。
ポイントであれば、元々は「おまけ」でもらったものなので、万が一値下がりしても精神的なダメージは少なくて済みます。実際にポイントで運用を始めてみて、価格が上下する様子を眺めるだけでも、資産運用の仕組みを理解する大きな助けになるでしょう。
ポイント投資で慣れてきたら、少しずつ現金を足していくというステップを踏むことで、心理的な抵抗感をスムーズに解消できます。フリーターの方は日々の買い物でポイントを貯める機会も多いはずですので、それを眠らせておくのではなく、有効活用して資産に変えていく習慣を身につけましょう。
失敗を防ぐためのリスク管理と継続のコツ

資産運用で最も難しいのは、実は手法選びではなく「続けること」です。市場が良い時も悪い時も、淡々と継続することが将来の大きな果実に繋がります。フリーターの方が途中で挫折せず、リスクをコントロールしながら運用を続けるためのポイントを整理しました。
長期・積立・分散の3原則を徹底する
投資の世界で負けないための黄金律が「長期・積立・分散」です。まず「長期」とは、10年、20年といった長いスパンで運用することです。短期的には暴落があっても、長期的には世界経済の成長とともに資産は増えていく傾向にあります。次に「積立」は、毎月一定額を買い続けることで、価格が高い時は少なく、安い時は多く買うことができる手法です。
最後に「分散」は、先ほど説明したように投資先を分けることです。この3つを組み合わせることで、投資のリスクを大幅に軽減できます。フリーターの方は、一度に大きな利益を狙うのではなく、この3原則を守って「負けない投資」を心がけてください。地味に見えますが、これが最も確実な近道です。
投資を始めたばかりの頃は、毎日資産額をチェックしたくなるかもしれませんが、あまり頻繁に見る必要はありません。むしろ、日々の小さな変動に振り回されて、安易に売却してしまうことの方がリスクです。設定を終えたら、半年や1年に一度確認するくらいのゆったりとした気持ちで構えましょう。
資産運用の成功を支える3原則:
1. 長期:時間を味方につけて複利効果を最大化する
2. 積立:購入時期を分散して平均取得単価を下げる
3. 分散:投資先を複数に分けて全滅を防ぐ
暴落が起きても慌てて売らない
資産運用を続けていると、数年に一度は市場が大きく冷え込む「暴落」に遭遇します。自分の資産が10%、20%と減っていくのを見ると、怖くなってすべて売ってしまいたくなるかもしれません。しかし、ここで売ってしまうのが最もやってはいけない失敗パターンです。
過去の歴史を振り返れば、どんな大暴落も数年後には回復し、以前の最高値を更新してきました。暴落時は、むしろ「同じ金額でたくさんの量を買えるバーゲンセール」だと捉えるのが正解です。売却さえしなければ、それはまだ確定した損失ではなく、価格が戻るのを待てば良いだけのことです。
慌てないためには、前述した「生活防衛資金」をしっかり持っておくことが重要になります。当面の生活費に困っていなければ、資産が一時的に減っても見守ることができます。精神的な余裕を持つことが、資産運用を継続するための最大の武器になると覚えておいてください。
自己投資を忘れずに入金力を高める
資産運用と並行して絶対に忘れてはいけないのが、自分自身への投資です。運用の元手となる「入金力」を高めるには、現在の収入を増やすのが最も効果的です。月々1,000円の節約よりも、スキルを身につけて月々の手取りを5,000円増やす方が、長期的には資産形成のスピードを劇的に早めます。
フリーターという立場を活かして、将来的にプラスになる資格の勉強をしたり、新しいスキルを習得したりすることに時間とお金を使いましょう。自分の市場価値が上がれば、より安定した高収入の仕事に就ける可能性も高まります。資産運用は「お金」を育てることですが、自己投資は「稼ぐ力」を育てることです。
両輪が揃うことで、将来の不安はより確実に解消されます。投資に全力を注ぎすぎて、勉強代や人付き合いを削りすぎるのもバランスが良くありません。人生を豊かにするために資産運用をしているという目的を忘れず、今の自分を輝かせるための投資も大切にしていきましょう。
ネット証券を使った具体的な口座開設の流れ

知識を深めたら、いよいよ行動に移すのみです。資産運用を始めるには、銀行ではなく「ネット証券」で口座を開設するのが定石です。店舗を持つ銀行や証券会社に比べて手数料が圧倒的に安く、スマートフォン一つで簡単に手続きが完結するからです。
まずは主要なネット証券を選ぶ
口座を開設するなら、業界最大手の「SBI証券」か「楽天証券」のどちらかを選べば間違いありません。どちらも取り扱っている商品の数が豊富で、手数料も最低水準です。自分の使っているスマートフォンのキャリアや、よく貯めているポイントに合わせて選ぶのがスムーズです。
例えば、楽天カードをよく使う方なら、ポイント還元率が高い楽天証券がおすすめです。一方で、三井住友カードなどを使っている方や、より多くの銘柄から選びたい方はSBI証券が向いています。どちらを選んでも大きな差はありませんが、迷ったらサイトの見やすさやアプリの使い心地で選んでみましょう。
口座開設には、マイナンバーカードや本人確認書類が必要です。今はスマートフォンのカメラで書類を撮影して送るだけで本人確認が終わる「オンライン本人確認」が主流です。郵送の手間もなく、数日から1週間程度で口座開設が完了します。思い立ったその日に手続きを済ませてしまいましょう。
クレカ積立の設定でポイントを二重取りする
口座が開設できたら、ぜひ設定したいのが「クレジットカード決済による積立(クレカ積立)」です。これは、毎月の投資信託の購入代金をクレジットカードで支払う設定のことで、投資額に応じてポイントが付与されます。運用益だけでなくポイントも貯まるため、非常にお得です。
通常の買い物と同じようにポイントが還元されるので、実質的な利回りを最初から数%上乗せできるようなものです。フリーターの方でも、対象のクレジットカードを持っていればすぐに設定可能です。一度設定してしまえば、毎月自動的に決済が行われ、買い忘れの心配もありません。
貯まったポイントをさらに再投資に回せば、複利の効果がさらに加速します。少しでも有利な条件で資産運用をスタートさせるために、ネット証券と相性の良いクレジットカードを組み合わせることは、現代の資産運用の必須テクニックと言えるでしょう。
定期的な運用状況の確認とリバランス
設定が終われば、あとは放置していても運用は進んでいきますが、半年に一度程度は運用状況をチェックしましょう。順調に増えているかを確認するだけでなく、当初決めた資産配分が崩れていないかを見るためです。例えば、株式が値上がりして全体の比率が高まりすぎた場合、リスクが大きくなっている可能性があります。
このように、崩れた配分を元に戻す作業を「リバランス」と呼びます。難しいと感じる場合は、そもそも自動でリバランスを行ってくれる「バランス型」の投資信託を選ぶか、単に今の含み益を眺めてモチベーションを維持するだけでも十分です。
大切なのは、運用が自分の生活の一部として定着することです。フリーターとしての生活を楽しみつつ、将来のための資産が着実に育っていることを実感できれば、お金に対する不安は自然と薄らいでいきます。無理のないペースで、資産運用という新しい習慣を育てていきましょう。
フリーターが資産運用の始め方で迷わないためのポイントまとめ
フリーターの方が資産運用を始めるのは、将来の自由を手に入れるための非常に賢明な判断です。まずは家計を整え、生活防衛資金を確保することから始めましょう。準備ができたら、新NISAという強力な制度を活用し、インデックスファンドを少額から積み立てるのが最もおすすめのルートです。
投資に回す金額の多寡よりも、どれだけ早く始め、どれだけ長く続けられるかが成功の分かれ道になります。たとえ月々3,000円でも、10年、20年と続ければ、それはあなたの将来を支える大きな盾となってくれるはずです。暴落に一喜一憂せず、自己投資も並行しながら、お金と自分自身の両方を成長させていきましょう。
資産運用は決して特別な人のためのものではありません。正しい知識を持ち、小さなアクションを積み重ねることで、誰でも着実に資産を築くことができます。この記事で紹介したステップを参考に、まずはネット証券の口座開設からスタートしてみてください。数年後のあなたは、きっと今の決断に感謝しているはずです。



