公務員のiDeCo限度額は月2万円|2026年12月改正後の計算方法まで整理!

公務員のiDeCo限度額は月2万円|2026年12月改正後の計算方法まで整理!
公務員のiDeCo限度額は月2万円|2026年12月改正後の計算方法まで整理!
年代や職業別の運用

公務員がiDeCoを始めようとすると、月額の限度額について「1万2,000円と書かれた記事」と「2万円と書かれた記事」が混在しており、どちらが現在の正しい情報なのか迷いやすいものです。

結論から述べると、2026年7月時点における国家公務員や地方公務員などのiDeCoの拠出限度額は原則として月額2万円であり、年間では最大24万円を積み立てられます。

ただし、2026年12月にはiDeCoと企業年金等を合わせた拠出限度額が月額6万2,000円へ引き上げられる予定であり、公務員が実際に積み立てられる金額も現在より増える可能性があります。

一方で、月額6万2,000円という数字は公務員全員がそのままiDeCoへ拠出できる金額ではなく、共済掛金相当額などを差し引いて個人ごとの上限を計算する必要があるため、制度改正前後の違いを正確に理解することが重要です。

ここでは、公務員の現在のiDeCo限度額、2026年12月以降の計算方法、節税効果、掛金の決め方、NISAとの使い分け、年末調整の手続きまで、加入前に押さえておきたい情報を順番に整理します。

公務員のiDeCo限度額は月2万円

2026年7月時点では、公務員がiDeCoへ拠出できる金額は月額5,000円から2万円までであり、1,000円単位で掛金を設定します。

以前の上限は月額1万2,000円でしたが、2024年12月分の掛金から最大2万円へ引き上げられたため、古い解説を参考にすると積み立てられる金額を過小に見積もってしまいます。

さらに2026年12月には新しい限度額への変更が予定されているため、現在の上限と将来の上限を分けて理解することが大切です。

2026年7月時点の上限

2026年7月時点における公務員のiDeCo限度額は月額2万円であり、毎月上限まで拠出すると1年間の掛金は24万円になります。

対象となるのは、国家公務員共済組合や地方公務員共済組合などに加入し、国民年金の第2号被保険者として扱われている人であり、一般的な常勤の国家公務員や地方公務員はこの区分に該当します。

厚生労働省が公務員向けに公表した資料でも、2024年12月から拠出限度額が月額1万2,000円から2万円へ引き上げられ、年額では14万4,000円から24万円へ増えたことが示されています。

月額2万円は必ず拠出しなければならない金額ではなく、生活費や教育費、住宅ローン、現金の貯蓄状況などを踏まえ、月額5,000円以上の範囲で無理のない金額を選べます。

現在の制度内容を確認するときは、更新日が古い民間サイトだけで判断せず、厚生労働省の公務員向け資料やiDeCo公式サイトを基準にすることが重要です。

年額では最大24万円

公務員が毎月2万円を拠出した場合、年間の掛金は2万円に12カ月を掛けた24万円となり、この全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になります。

年間24万円を積み立てると、所得税と住民税を計算する基礎となる課税所得から24万円が差し引かれるため、同じ金額を通常の預金や課税口座で積み立てる場合には得られない税負担の軽減が期待できます。

ただし、年の途中で加入した場合や掛金の引き落としができなかった月がある場合は、その年に実際に納付した金額だけが所得控除の対象となり、単純に24万円を控除できるわけではありません。

たとえば7月分から月額2万円の拠出を開始し、その年に6カ月分を納付した場合、年間の拠出額と所得控除額は原則として12万円になるため、加入初年度の節税額を計算するときは納付月数を確認する必要があります。

掛金を拠出できなかった月の金額を自由に翌月へ上乗せできる仕組みではないため、引き落とし口座の残高不足を避け、毎月確実に納付できる家計管理も大切です。

最低額は月5,000円

公務員がiDeCoを利用するときの最低掛金は月額5,000円であり、5,000円から2万円までの範囲を1,000円単位で設定できます。

利用できる主な掛金額を整理すると、家計への負担を抑えたい人は5,000円、節税と流動性のバランスを重視する人は1万円、老後資金を優先する人は2万円という考え方ができます。

  • 月額5,000円:年間6万円
  • 月額1万円:年間12万円
  • 月額1万5,000円:年間18万円
  • 月額2万円:年間24万円

若手職員や育児中の世帯では、最初から上限まで積み立てるよりも月額5,000円や1万円で開始し、昇給や住宅ローン返済の進み具合に合わせて増額する方法が現実的です。

iDeCoは原則として老齢給付金を受け取れる年齢まで自由に引き出せないため、最低額であっても日常生活に必要な預金を確保したうえで拠出する必要があります。

月1万2,000円は旧制度の金額

インターネット上で見かける「公務員のiDeCo限度額は月額1万2,000円」という情報は、2024年11月分まで適用されていた旧制度の金額です。

公務員がiDeCoへ加入できるようになった2017年から長期間にわたり月額1万2,000円が上限だったため、更新されていない記事、書籍、動画、シミュレーションには古い数字が残っています。

対象時期 月額上限 年額上限
2024年11月分まで 1万2,000円 14万4,000円
2024年12月分から 2万円 24万円
2026年12月以降 合算枠で計算 個人ごとに異なる

現在すでに月額1万2,000円で積み立てている人の掛金が自動的に2万円へ増えるわけではなく、増額を希望する場合は利用している運営管理機関を通じて掛金額変更の手続きが必要です。

家計に余裕があっても旧上限のまま積み立てている可能性があるため、加入者サイトや取引報告書で現在の掛金額を確認しておくとよいでしょう。

現在は二つの上限で判定

現在の第2号被保険者のiDeCo限度額は、単純な月額2万円という上限だけでなく、企業年金等との合計が月額5万5,000円を超えない範囲という条件でも判定されます。

公務員の場合は企業型確定拠出年金の事業主掛金ではなく、共済制度に対応する他制度掛金相当額を合算して判定し、2024年12月の見直しでは公務員の共済掛金相当額が月額8,000円とされました。

現在の計算では5万5,000円から8,000円を差し引くと4万7,000円になりますが、iDeCo自体に月額2万円の上限があるため、公務員が実際に拠出できる金額は低いほうの2万円です。

つまり現在の公務員は、共済掛金相当額によって上限が2万円未満に縮小するケースが通常想定されておらず、基本的には月額2万円を上限として掛金を決められます。

ただし、勤務形態や加入している制度が一般的な公務員と異なる人は登録区分が違う可能性があるため、所属先の共済担当部署や運営管理機関へ確認することが確実です。

2026年12月から計算方法が変わる

2026年12月1日からは、第2号被保険者についてiDeCoと企業年金等を合わせた拠出限度額が月額6万2,000円へ引き上げられる予定です。

現在設けられている「企業年金等がある人のiDeCoは最大2万円」という独立した上限が見直され、企業年金等の掛金相当額を6万2,000円から差し引いた残りの枠をiDeCoに利用する仕組みになります。

公務員の共済掛金相当額を現行と同じ月額8,000円として単純計算すると、6万2,000円から8,000円を差し引いた月額5万4,000円が計算上のiDeCo上限となります。

ただし、実際の適用額は制度施行時に登録されている他制度掛金相当額や事務上の取り扱いによって決まるため、公務員全員の上限が必ず5万4,000円になると現時点で断定せず、施行前後の案内を確認する必要があります。

厚生労働省は2025年の制度改正に関する公式ページで、拠出限度額の引き上げを2026年12月1日に施行する予定と案内しています。

月6万2,000円を全額拠出できるとは限らない

2026年12月から示される月額6万2,000円は、第2号被保険者がiDeCoだけに拠出できる一律の限度額ではなく、iDeCoと企業年金等を合算した全体枠です。

公務員には共済制度に対応する他制度掛金相当額があるため、その金額を全体枠から差し引き、残った金額がiDeCoへ拠出できる上限になります。

  • 全体の拠出枠:月額6万2,000円
  • 差し引く金額:共済掛金相当額
  • 残額:iDeCoへ拠出できる上限
  • 実際の掛金:本人が設定した金額

制度改正を紹介する記事で「公務員も月6万2,000円まで拠出可能」と表現されている場合でも、合算枠とiDeCo単独の上限を混同していないか確認することが必要です。

また、限度額が増えても手取り収入や生活費が増えるわけではないため、利用可能な枠をすべて埋めることより、長期間継続できる掛金を設定することを優先しましょう。

限度額を正しく計算するための基礎

公務員のiDeCo限度額を理解するには、現在の月額2万円だけでなく、共済掛金相当額や第2号被保険者という加入区分の意味を押さえる必要があります。

特に2026年12月以降は、所属している年金制度の掛金相当額によってiDeCoへ拠出できる金額が変わるため、自分の給与だけを見ても正確な上限は判断できません。

ここでは、現在と改正後の計算式、公務員の種類による扱い、異動や退職時に注意したい点を整理します。

現在と改正後の計算式

現在の公務員の限度額は、iDeCo固有の上限である月額2万円と、月額5万5,000円から共済掛金相当額を差し引いた金額を比べ、低いほうを採用する考え方です。

2026年12月以降は月額6万2,000円の全体枠から共済掛金相当額を差し引く方式となり、現在の月額2万円という固有上限がなくなることで、利用できる枠が大きくなる可能性があります。

時期 基本的な計算 一般的な見方
2026年11月まで 2万円と残余枠の低い額 上限2万円
2026年12月から 6万2,000円から相当額を控除 個人別に計算
相当額が8,000円の例 6万2,000円-8,000円 月額5万4,000円

月額5万4,000円という数字は、共済掛金相当額が8,000円であることを前提にした計算例であり、制度施行後に通知される正式な上限額を確認してから掛金変更を行うことが安全です。

限度額の引き上げに合わせて増額する場合でも、毎月の手取りから5万円を超える資金が長期間動かせなくなる影響を十分に検討する必要があります。

国家公務員と地方公務員の基本枠

国家公務員、地方公務員、公立学校の教職員などは、一般的に共済組合員である国民年金第2号被保険者として扱われるため、iDeCoの基本的な限度額は同じです。

勤務先が国の機関か地方自治体かによって、現行の月額2万円という基本上限が変わるわけではなく、行政職、技術職、公安職、教員などの職種だけを理由に限度額が増減する仕組みでもありません。

  • 国家公務員:原則として第2号加入者
  • 地方公務員:原則として第2号加入者
  • 公立学校教職員:原則として共済組合員
  • 会計年度任用職員:加入状況の確認が必要
  • 非常勤職員:厚生年金の適用状況で判定

一方、短時間勤務や非常勤勤務などで厚生年金や共済組合への加入状況が異なる場合は、常勤職員と同じ区分にならないことがあります。

自分の区分が分からないときは、給与明細の共済掛金だけで推測せず、所属先の人事給与担当、共済組合、利用予定の運営管理機関へ確認しましょう。

異動や退職で上限が変わる

公務員として同じ組織内で部署を異動するだけであれば、通常は年金の加入区分が変わらないため、iDeCoの限度額にも大きな変化はありません。

しかし、公務員を退職して企業年金のない民間企業へ転職した場合、企業型DCがある企業へ転職した場合、独立して自営業者になった場合では加入者区分と限度額が変わります。

働き方の変化 確認する内容 主な手続き
公務員内の異動 払込方法 勤務先情報の確認
民間企業へ転職 企業年金の有無 加入区分変更
自営業へ転身 第1号被保険者資格 種別変更
退職して扶養へ 第3号被保険者資格 種別変更

登録情報の変更を放置すると、資格確認で掛金が停止されたり、本来の限度額と異なる金額を設定したりする可能性があるため、働き方が変わった時点で運営管理機関へ連絡することが重要です。

特に事業主払込を利用している人は、給与を支払う勤務先が変わることで納付方法の変更が必要になる場合があるため、退職前から必要書類を確認しておくと手続きが円滑です。

公務員が得られる節税効果

iDeCoの掛金は単なる積立金ではなく、支払った全額が小規模企業共済等掛金控除として所得から差し引かれる点に大きな特徴があります。

安定した給与収入があり、原則として所得税と住民税を負担している公務員は、掛金を継続することで毎年の税負担を軽くしながら老後資金を準備できます。

ただし、節税額は年収そのものではなく課税所得や適用税率によって変わるため、誰でも同じ金額が戻るわけではありません。

掛金全額が所得控除になる

iDeCoへ納付した掛金は、その年に支払った全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となり、課税所得を減らす効果があります。

月額2万円を1年間納付した場合は24万円、月額1万円なら12万円が所得から差し引かれ、その人に適用される所得税率と住民税率に応じて税負担が軽減されます。

  • 掛金拠出時:全額所得控除
  • 資産運用時:運用益が非課税
  • 受取時:一定の所得控除を適用
  • 控除区分:小規模企業共済等掛金控除

生命保険料控除には支払額に応じた控除限度がありますが、iDeCoは制度上の拠出限度額まで納付した掛金が全額控除されるため、老後資金を準備しながら所得控除を得たい人に適しています。

国税庁も小規模企業共済等掛金控除の案内で、個人型確定拠出年金の加入者掛金が控除対象になることを示しています。

月2万円の節税額

月額2万円を1年間拠出した場合の所得控除額は24万円であり、おおよその節税額は24万円に所得税と住民税の合計税率を掛けて計算できます。

たとえば所得税率が10%で住民税率を10%として概算すると、合計税率は20%となり、年間の税負担軽減額は24万円の20%に当たる約4万8,000円です。

所得税率の目安 住民税率の目安 年間軽減額の概算
5% 10% 約3万6,000円
10% 10% 約4万8,000円
20% 10% 約7万2,000円

この表は復興特別所得税や各種控除による細かな差を考慮しない概算であり、実際の軽減額は源泉徴収票に記載された所得や家族構成、住宅ローン控除などによって変わります。

住宅ローン控除などによって所得税の負担がすでに少ない場合は想定より節税額が小さくなることもあるため、掛金額を決める際は節税額だけでなく老後まで資金を拘束される点も考慮しましょう。

所得が低い年の効果

育児休業、病気休職、短時間勤務などによって給与収入が大きく減った年は、通常勤務の年より所得税率が低くなり、iDeCoによる所得控除の効果も小さくなることがあります。

所得控除は税額そのものを掛金分だけ減らす仕組みではなく、税金を計算する前の所得を減らす仕組みであるため、もともと課税される所得が少なければ節税できる金額にも限度があります。

  • 育児休業で給与が減少する年
  • 長期休職で課税所得が減る年
  • 住宅ローン控除が大きい年
  • 扶養控除などが増える年
  • 退職により給与収入が途切れる年

収入が減る見込みがある場合は、休業に入る前に生活費の予備資金を確保し、必要に応じて掛金を減額することも合理的な判断です。

節税効果が小さい年でも運用益非課税の仕組みは利用できますが、自由に引き出せない資金を増やす価値があるかを家計全体で検討する必要があります。

無理のない掛金を決める方法

制度上の限度額と、実際に家計から負担できる適正額は同じではありません。

公務員は毎月の収入が比較的安定している一方、住宅購入、子どもの進学、転居、介護などによってまとまった資金が必要になる時期があります。

節税効果だけを見て上限まで拠出すると、必要な現金が不足してカードローンなどに頼る事態も起こり得るため、預金やNISAとの役割分担を考えて掛金を決めましょう。

生活防衛資金を先に確保する

iDeCoを始める前には、病気、休職、家電の故障、冠婚葬祭、転居などの急な支出に対応できる生活防衛資金を普通預金などで確保することが優先されます。

公務員は雇用が比較的安定していても、災害、家族の介護、配偶者の失業などによって世帯全体の収支が悪化する可能性はあるため、現金をまったく持たずに投資へ回す方法は適切ではありません。

  • 毎月の生活費
  • 住宅ローンの返済額
  • 教育費の予定
  • 自動車の買い替え費用
  • 医療費や介護費
  • 半年から1年分の予備資金

生活防衛資金を確保したうえで毎月余る金額が3万円なら、全額をiDeCoへ入れるのではなく、1万円をiDeCo、2万円を普通預金やNISAへ回すと流動性を保ちやすくなります。

限度額の引き上げ後も同じ考え方が重要であり、拠出可能額が月5万円を超えたからといって、その金額を積み立てる義務はありません。

NISAと役割を分ける

iDeCoとNISAはいずれも資産形成に利用できる税制優遇制度ですが、税制上のメリットと資金を引き出せる時期が異なります。

iDeCoは掛金が所得控除になる代わりに原則として受給可能年齢まで自由に引き出せず、NISAは拠出時の所得控除がない代わりに売却した資金を必要なときに利用できます。

比較項目 iDeCo NISA
拠出時の所得控除 あり なし
運用益の課税 非課税 非課税
途中の引き出し 原則不可 可能
主な目的 老後資金 幅広い資金
受取時の課税 課税関係あり 原則非課税

老後まで使わないことが明確な資金はiDeCoへ、住宅修繕費や教育費など途中で使う可能性がある資金はNISAや預金へ回すと、制度の特徴を生かしやすくなります。

どちらか一方を選ぶのではなく、月額1万円ずつ併用するなど、目的と利用時期に応じて配分する方法も有効です。

年代に応じて金額を変える

20代から30代前半の公務員は運用期間を長く取れる一方、結婚、住宅取得、出産など今後の支出が読みにくいため、最初は月額5,000円から1万円程度で始める方法があります。

40代は教育費と住宅ローンの負担が重なりやすい時期ですが、老後までの期間も限られてくるため、家計に余裕が生まれた段階で月額1万5,000円や2万円へ増額する選択肢が考えられます。

年代 重視する項目 掛金の考え方
20代 現金確保 少額で継続
30代 住宅と育児 支出予定と調整
40代 教育費と老後 余裕分を増額
50代 退職準備 受取時期も確認

50代で大きく増額する場合は、掛金を拠出できる残り期間、退職金の受取時期、iDeCoを一時金で受け取る場合の退職所得控除への影響まで確認する必要があります。

年代だけで適正額が決まるわけではないため、単身か共働きか、子どもの人数、住宅ローン残高、退職後の働き方などを含めて判断しましょう。

加入手続きで失敗しないポイント

公務員がiDeCoを利用する場合は、金融機関を選んで申し込むだけでなく、掛金の払込方法、運用商品の配分、所得控除の手続きを理解する必要があります。

2024年12月以降は個人払込で加入する際の事業主証明が原則不要になるなど手続きが簡素化されていますが、事業主払込を希望する場合や勤務先が変わる場合には職場側の対応が必要になることがあります。

加入後に書類の提出を忘れると税制上のメリットを受けられないこともあるため、申込時から年末調整までの流れを確認しておきましょう。

個人払込と事業主払込

iDeCoの掛金を納付する方法には、本人名義の銀行口座から引き落とす個人払込と、給与から天引きする事業主払込があります。

個人払込は利用できる金融機関口座を自分で管理しやすい一方、年末調整で小規模企業共済等掛金払込証明書を提出して所得控除を申告する必要があります。

  • 個人払込:本人の口座から振替
  • 事業主払込:給与から天引き
  • 個人払込:控除証明書を提出
  • 事業主払込:勤務先が納付額を把握
  • 転職時:払込方法の変更を確認

事業主払込では給与計算の段階で掛金を考慮して源泉徴収が行われますが、所属先が事業主払込へ対応しているかを事前に確認しなければなりません。

iDeCo公式サイトの加入手続き案内では二つの納付方法が説明されているため、自分の職場の対応と管理のしやすさを比べて選びましょう。

年末調整を忘れない

個人払込を利用している加入者には、原則として国民年金基金連合会から小規模企業共済等掛金払込証明書が送られるため、年末調整の際に勤務先へ提出します。

証明書を提出しなければ、給与からiDeCoの掛金が自動的に把握されるわけではなく、その年の所得税計算に所得控除が反映されない可能性があります。

払込方法 年末の対応 証明書
個人払込 年末調整で申告 原則必要
事業主払込 勤務先が納付額を確認 原則発行なし
提出に間に合わない 確定申告 添付等が必要

加入時期が遅く証明書の発行が年末調整に間に合わなかった場合や提出を忘れた場合でも、確定申告によって控除を受けられる可能性があります。

証明書を紛失したときは放置せず、再発行の方法や電子データの利用可否を運営管理機関またはiDeCo公式サイトで確認しましょう。

金融機関は商品と費用で選ぶ

iDeCoは銀行、証券会社、保険会社などの運営管理機関を通じて加入しますが、選べる投資信託や定期預金、運営管理手数料、サポート体制は金融機関によって異なります。

同じ指数への連動を目指す投資信託でも運用管理費用に差があり、長期間積み立てるほど小さな費用差が資産額へ影響するため、商品名だけでなく信託報酬も確認する必要があります。

  • 口座管理にかかる費用
  • 低コスト商品の有無
  • 商品の選びやすさ
  • 加入者サイトの操作性
  • 問い合わせ対応
  • 受取時の手数料

元本確保型商品だけを選ぶと価格変動は抑えられますが、物価上昇に対して実質的な資産価値が目減りする可能性があり、投資信託には元本割れの可能性があるため、自分が許容できるリスクを基準に配分します。

知名度やキャンペーンだけで決めず、長期保有しやすい商品構成と費用を比較してから申し込むことが大切です。

限度額を使う前に知りたい注意点

iDeCoは税制上のメリットが大きい一方、途中で自由に解約して現金化できないことや、運用結果によって受取額が変わることなど、預金とは異なる制約があります。

特に2026年12月の限度額引き上げ後は、公務員が毎月拠出できる金額が大幅に増える可能性があるため、制度のメリットだけを見て掛金を急に増やさないことが重要です。

老後資金として確実に分けておける金額を見極め、受取時の税金や退職金との関係まで含めて利用しましょう。

原則として途中で引き出せない

iDeCoへ拠出した掛金と運用資産は、一定の障害状態や死亡など制度上の例外を除き、原則として老齢給付金を受け取れる年齢まで自由に引き出せません。

住宅の頭金、子どもの大学進学費用、自動車の購入費、医療費などが必要になっても、通常の投資信託や預金のように一部を売却して使うことはできません。

  • 住宅購入に使う予定の資金
  • 数年以内の教育費
  • 緊急時の生活費
  • 借入金の返済資金
  • 近い将来の大型支出

これらの資金をiDeCoへ入れると、必要なときに現金が足りず、金利の高い借り入れを利用する結果になり、所得控除で得た利益以上の負担が生じる可能性があります。

月額上限まで積み立てる判断は、老後まで使わない資金であることを確認した後に行いましょう。

掛金変更には制限がある

iDeCoの掛金額は生活状況に合わせて変更できますが、原則として自由に毎月変更できる仕組みではなく、通常の掛金額変更は拠出単位期間ごとに1回とされています。

収入が増えた月だけ上限まで拠出し、支出が多い月は最低額へ戻すという柔軟な使い方は難しいため、年間を通じて納付できる金額を設定する必要があります。

変更内容 主な注意点 対応
掛金の増額 限度額内で設定 変更届を提出
掛金の減額 最低5,000円 変更届を提出
拠出の停止 運用は継続 資格変更等を確認
再開 加入資格を確認 必要書類を提出

2026年12月の限度額引き上げ時に自動的に掛金が最大額へ変更されるとは限らないため、増額を希望する人は運営管理機関から届く案内を確認しましょう。

将来の昇給を前提に現在の家計では負担が重い金額を設定せず、少額でも継続できる掛金から始めるほうが管理しやすくなります。

受取時にも税金を考える

iDeCoは積立中の運用益が非課税ですが、将来受け取るときは受取方法に応じて所得として扱われ、税金の計算が必要になる場合があります。

一時金として受け取る場合は退職所得として退職所得控除を利用でき、年金形式で受け取る場合は雑所得として公的年金等控除を利用できるのが基本です。

  • 一時金:退職所得控除を検討
  • 年金:公的年金等控除を検討
  • 併用:受取時期と金額を調整
  • 公務員退職金:受取時期を確認
  • 他の企業年金:合算関係を確認

公務員は勤務先から退職手当を受け取るケースが多いため、iDeCoの一時金と公務員の退職手当の受取時期が近いと、退職所得控除の計算に影響する可能性があります。

掛金を増やすときは拠出時の節税額だけで判断せず、退職予定年齢、退職手当、受取方法、将来の公的年金を含めた出口まで考えることが大切です。

現在と改正後の上限を分けて備えよう

まとめ
まとめ

2026年7月時点における公務員のiDeCo限度額は月額2万円であり、毎月上限まで拠出した場合の年間掛金は24万円です。

月額1万2,000円という情報は2024年11月分までの旧制度に基づくものであり、現在もその金額で積み立てている人が上限まで利用したい場合は、運営管理機関を通じて増額手続きを行う必要があります。

2026年12月からはiDeCoと企業年金等を合わせた拠出枠が月額6万2,000円へ引き上げられる予定ですが、公務員が6万2,000円をすべてiDeCoへ拠出できるわけではなく、共済掛金相当額を差し引いて上限を計算します。

共済掛金相当額を現行と同じ8,000円として計算すれば月額5万4,000円になりますが、実際に適用される金額は施行時の登録情報や公式案内を確認して判断することが重要です。

限度額が増えることは老後資金を厚く準備できる機会になる一方、iDeCoの資産は原則として受給可能年齢まで自由に引き出せないため、生活防衛資金、教育費、住宅費、NISAへの積立額を確保したうえで無理のない掛金を設定しましょう。

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