つみたてNISAで20年後に元本割れする可能性は?損をしないための運用術

つみたてNISAで20年後に元本割れする可能性は?損をしないための運用術
つみたてNISAで20年後に元本割れする可能性は?損をしないための運用術
NISA・iDeco活用

将来の備えとして「つみたてNISA」を始めたものの、20年後の受取時に元本割れをしていたらどうしようと不安を感じていませんか。投資である以上、元本保証はありませんが、過去のデータを紐解くと長期間の運用がいかにリスクを抑えるかが分かります。せっかく始めた資産運用で後悔しないためには、正しい知識を持って向き合うことが大切です。

この記事では、つみたてNISAで20年後に元本割れする確率や、リスクを最小限に抑えるための具体的な戦略について詳しく解説します。長期投資のメリットを最大限に活かし、着実に資産を築いていくためのポイントを一緒に見ていきましょう。運用の不安を解消して、自信を持って継続できるヒントをお伝えします。

つみたてNISAの20年後における元本割れの可能性と過去の実績

つみたてNISAを20年という長期で運用した場合、元本割れする可能性はどの程度あるのでしょうか。結論からお伝えすると、過去の歴史的なデータに基づけば、20年間の長期保有で元本割れしたケースは極めて稀です。もちろん未来が過去と同じになるとは限りませんが、歴史が証明する投資の法則を知ることは大きな安心材料になります。

20年以上の長期保有で元本割れの確率は限りなく低くなる

投資の世界には「長期保有すればするほど、収益が安定する」という法則があります。これを「平均への回帰」と呼びます。1年や2年といった短期間では、リーマンショックやコロナショックのような暴落の影響を大きく受けてしまい、資産が半分になることも珍しくありません。

しかし、投資期間を20年にまで延ばすと、一時的な暴落を乗り越えて世界経済の成長の波に乗ることができます。世界経済は人口増加や技術革新によって、長期的には右肩上がりを続けてきました。この成長の恩恵を十分に受けるためには、途中で止めずに20年間持ち続けることが何よりも重要です。

実際に、主要な株価指数に20年間投資し続けた場合、どの期間を切り取ってもプラスの収益になったというデータが存在します。短期的な価格の上下に惑わされず、どっしりと構えて運用を続けることが、元本割れを回避する最大の防御策となります。

もちろん、将来も絶対に100%元本割れしないと言い切ることはできません。しかし、世界中の企業が利益を追求し続ける限り、長期的な株価の上昇は期待できます。私たちはその成長を信じ、時間を味方につけることで、リスクをコントロールすることができるのです。

金融庁のシミュレーションデータが示す過去の実績

金融庁が公表している資料には、投資期間と収益率の関係を示した非常に興味深いデータがあります。それによると、保有期間が5年の場合は元本割れが発生するケースもあり、収益率のバラつきが非常に大きくなっています。これは短期間では運の要素が強いことを意味しています。

一方で、保有期間を20年に延ばすと、年率2%〜8%の範囲に収益が収まり、元本割れしたケースが過去になかったことが示されています。このデータは、国内外の株式や債券に分散投資した場合の結果ですが、長期投資の効果がいかに絶大であるかを裏付けています。

金融庁の資料による運用成果の比較(1985年〜2020年)

保有期間 収益率の分布 元本割れの有無
5年間 年率 -8% 〜 +14% あり
20年間 年率 +2% 〜 +8% なし

この表から分かる通り、期間が長くなるにつれて収益がプラスの圏内に凝縮されていきます。つまり、長く続けること自体が、ギャンブルのような投資を「着実な資産形成」へと変えてくれるのです。国の制度としてつみたてNISAの非課税期間が20年(旧制度)に設定されていたのも、この根拠に基づいています。

ただし、このシミュレーションはあくまで「分散投資」を行っていた場合の結果です。一つの国や一つの企業の株だけに投資していた場合は、その対象が破綻すれば20年後でも元本割れする可能性はあります。広い範囲に投資する投資信託を選ぶことが、この実績を再現するための条件です。

全世界株式やS&P500などのインデックス投資が強い理由

つみたてNISAで多くの人が選んでいる「全世界株式」や「S&P500」といった指数に連動するインデックス投資は、長期的に元本割れしにくい仕組みを持っています。インデックス投資の最大の強みは、自動的に「中身の入れ替え」が行われる点にあります。

例えばアメリカの代表的な500社で構成されるS&P500は、時代の変化に合わせて成長している企業を採用し、衰退している企業を除外しています。昔は鉄道会社が主役でしたが、現在はIT企業が中心です。このように、その時々の強い企業に自動で投資し続けられるため、20年という長い年月でも成長し続けられるのです。

全世界株式(オール・カントリー)であれば、アメリカだけでなく日本やヨーロッパ、新興国など、世界中の経済成長を丸ごと取り込むことができます。特定の国が不況に陥っても、他の国が成長していればカバーできるため、よりリスク分散が効いた運用が可能になります。

「どこの会社が伸びるか分からない」という悩みを持つ必要がないのが、インデックス投資の素晴らしいところです。世界経済全体が成長するという前提に立つならば、20年という時間はその成長を果実として受け取るのに十分な期間と言えるでしょう。これこそが、初心者が着実に資産を増やすための王道ルートです。

20年後に資産が減ってしまう原因と注意すべきリスク

長期投資が元本割れしにくいとはいえ、絶対に資産が減らないわけではありません。20年後に「思っていたのと違う」という結果にならないためには、あらかじめリスクの原因を知っておく必要があります。特に、運用の終わらせ方や投資対象の選び方には注意が必要です。

運用終了間際の暴落による「出口戦略」の失敗

つみたてNISAにおいて最も注意すべきなのは、20年間の運用が終わるタイミングで大きな暴落が来ることです。これを「シーケンス・オブ・リターン・リスク」と呼びます。たとえ19年目まで順調に資産が増えていても、受取を予定している20年目にリーマンショック級の暴落が来ると、評価額が大きく下がってしまいます。

積立投資は、終わりの時期が近づくほど運用資産額が大きくなっています。そのため、暴落によるダメージの金額も大きくなるのが特徴です。初期の暴落は「安く買えるチャンス」になりますが、終わりの暴落は「手元に残るお金が減るピンチ」になってしまうのです。

このリスクを回避するためには、20年目に一括ですべて売却しようと考えないことが大切です。使う予定がある分だけを少しずつ売却したり、目標金額に近づいたら徐々にリスクの低い資産(現金や債券)に移したりする工夫が必要です。出口を「点」ではなく「期間」で捉える意識を持ちましょう。

また、制度改正によって新NISAでは非課税保有期間が無期限化されました。これにより、20年経った時に市場が悪ければ、無理に売らずに回復するまで数年待つという選択肢も取れるようになりました。時間の猶予を持っておくことが、出口での失敗を防ぐ最大の鍵となります。

投資対象の選択ミスによる成長性の欠如

どんなに長く積み立てを続けても、投資対象が間違っていれば20年後に元本割れする可能性は高まります。例えば、人口が減り続け、経済成長が止まってしまった特定の国だけに集中投資していた場合、20年経っても株価が当時の水準を下回っているケースは十分に考えられます。

かつての日本株(日経平均株価)も、バブル絶頂期に投資を始めてから元の水準に戻るまで30年以上を要しました。特定の1カ国、特定の1業種に絞った投資は、当たれば大きいですが、外れた時のダメージも深刻です。20年後の元本割れを避けるなら、特定の対象に賭けるような投資は避けるべきです。

また、手数料(信託報酬)が高いファンドを選んでしまうことも隠れたリスクです。年率1%を超えるような高い手数料は、20年という長期で見ると雪だるま式に資産を削っていきます。運用成績がプラスでも、手数料のせいで手取りが元本を割り込む「コスト負け」は絶対に避けなければなりません。

リスクを抑えるためには、低コストで、かつ成長が期待できる広い市場に投資する商品を選ぶのが鉄則です。投資のプロでも将来を当てるのは難しいため、私たち個人投資家は「広く、薄く、長く」世界中に分散することを優先すべきです。

途中で売却してしまう「狼狽売り」の心理的影響

実は、元本割れの最大の原因は市場の暴落ではなく、投資家自身の「心理」にあると言われています。20年間の運用期間中には、必ず何度か大きな暴落を経験します。その際、恐怖に負けて「これ以上損をしたくない」と資産を売却してしまうことを「狼狽(ろうばい)売り」と言います。

暴落時に売却してしまうと、その時点で損失が確定してしまいます。その後の市場の回復を待てなくなるため、結果として20年後に資産を増やす機会を自ら捨ててしまうことになります。投資の世界では「市場に居続けること」が何よりも難しいのです。

特に、SNSやニュースで不安を煽るような情報が流れてくると、冷静な判断ができなくなります。しかし、つみたてNISAの成功の秘訣は、暴落時こそ淡々と買い続けることにあります。安い時に多く買うことで、将来の利益を最大化できるからです。

20年という長旅においては、嵐の夜(暴落)もあれば晴天(高騰)もあります。あらかじめ「暴落は必ず起きるもの」と覚悟しておき、価格が下がってもスマホの画面を見すぎないくらいの距離感を保つことが、元本割れを防ぐ精神的な備えとなります。

暴落時に覚えておきたいこと

暴落は投資の失敗ではなく、市場のサイクルの一部です。過去のデータでは、どんな暴落も数年から数十年で回復してきました。売らなければ損失は確定しません。自分の投資方針を信じて、積立をストップしないことが大切です。

元本割れを避けて資産を確実に増やすための運用ルール

つみたてNISAで元本割れのリスクを最小限に抑え、着実に資産を増やしていくためには、いくつかの黄金ルールを守る必要があります。これらは決して難しいことではありませんが、長く続ける上では非常に強力な武器となります。初心者こそ大切にしたい3つのポイントを確認しましょう。

長期・積立・分散の3原則を徹底して守ること

資産運用の王道とされるのが「長期・積立・分散」です。まず「長期」は、前述の通り運用期間を延ばすことで収益を安定させる効果があります。20年以上を目安に運用を前提とすることで、一時的な価格変動を気にする必要がなくなります。

次に「積立」は、毎月決まった金額を買い続ける手法です。これによって、価格が高い時は少なく、安い時は多く買うことができ、平均購入単価を下げる効果(ドル・コスト平均法)が得られます。一括投資のように「買い時」に悩む必要がなくなり、精神的な負担も軽減されます。

最後に「分散」は、投資先をバラバラに分けることです。株式だけでなく債券を組み合わせたり、日本だけでなく世界中に投資したりすることで、どこか一つの市場がダメになっても資産全体が共倒れになるのを防ぎます。この3つを揃えることが、負けない投資への第一歩です。

つみたてNISAという制度自体が、この「長期・積立・分散」を実行しやすく設計されています。私たちはそのレールに乗って、余計なアレンジを加えずに淡々と継続するだけで、プロのようなリスク管理を自動的に行っていることになるのです。

手数料が安い優良な投資信託(eMAXIS Slimなど)を選ぶ

投資において、私たちが唯一コントロールできる確実な要素は「コスト」です。つみたてNISAで投資信託を購入する場合、保有している間ずっとかかる「信託報酬」という手数料が発生します。この手数料が0.1%違うだけでも、20年後の資産額には大きな差が生まれます。

例えば、100万円を20年間運用した場合、手数料が0.1%のファンドと1.0%のファンドでは、将来の受取額に数十万円の差が出ることがあります。手数料は確実なマイナスリターンです。できる限りコストの低い、いわゆる「低コストインデックスファンド」を選ぶことが、元本割れ回避の近道となります。

現在、多くの投資家に支持されているのが「eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)」シリーズなどの業界最低水準の手数料を目指すファンドです。こうした優良な商品を選べば、無駄なコストを支払うことなく、効率的に資産を成長させることができます。

銀行や証券会社の窓口で勧められる「毎月分配型」や「手数料の高いアクティブファンド」は、つみたてNISAの対象外であることが多いですが、注意が必要です。ネット証券などを活用し、自分で納得のいく低コストな商品を選ぶことが、将来の自分を守ることにつながります。

暴落が起きても淡々と買い続けるドル・コスト平均法

投資を始めると、どうしても株価の動きが気になってしまいます。しかし、つみたてNISAにおいて最大の味方は、実は「暴落」です。毎月定額を買い続けるドル・コスト平均法では、価格が下がった時こそ多くの口数を仕込むチャンスになります。

例えば、毎月3万円積み立てている場合、価格が半分になれば、買える量は2倍になります。その後、価格が元の水準に戻るだけで、安く大量に買った分が大きな利益を生み出します。暴落を「バーゲンセール」だと捉えられるようになると、元本割れの不安は大幅に軽減されます。

逆に、最もやってはいけないのが「価格が上がったからもっと買い、下がったから積立を止める」という行動です。これは高い時に買い、安い時に買わないという、ドル・コスト平均法のメリットを打ち消す行為になってしまいます。

感情に左右されず、機械的に積み立てを続ける仕組みこそが、20年後の成功を約束してくれます。一度設定したら、あとは年に1回程度残高を確認するくらい。それくらいの「ほったらかし」が、実は資産運用において最も優れた戦略なのです。

ドル・コスト平均法のポイント:
・価格変動を「リスク」ではなく「安く買う機会」に変えてくれる
・「いつ買えばいいか」という悩みを排除できる
・長期で続けるほど、平均購入コストが安定し、元本割れしにくくなる

20年後の出口戦略で失敗しないための具体的な工夫

つみたてNISAの運用期間が終わりに近づいた時、どのようにして資産を現金化していくべきでしょうか。20年後の出口で慌てないためには、今から将来の「終わらせ方」をイメージしておくことが大切です。元本割れのリスクを最後まで抑え込むためのテクニックを紹介します。

一括売却ではなく「定額」または「定率」で少しずつ取り崩す

20年という節目が来たからといって、その瞬間にすべての資産を一括で売却する必要はありません。一括売却は、その日の相場にすべてを賭けるギャンブルになってしまうからです。売却する際も、積み立て時と同じように「時間を分散」させることが有効です。

具体的には、「毎月10万円ずつ売却する(定額取り崩し)」や「資産の4%ずつを毎年売却する(定率取り崩し)」といった方法があります。これにより、売却の際も価格が高い時は少なく、安い時は多く売ることになり、暴落の影響を和らげることができます。

特に「定率取り崩し」は、資産がゼロになりにくい合理的な方法として知られています。4%ルールなどは、資産を運用しながら取り崩すことで、長期間資産を維持できるという理論に基づいています。20年経った後も、運用を続けながら賢く使っていく姿勢が求められます。

また、制度上、非課税期間が終わっても課税口座(特定口座)に移るだけで、投資自体を続けられます。無理に非課税枠内で売ろうとせず、市場が回復するのを待ちながら、必要な分だけを現金化していく柔軟な出口戦略を立てておきましょう。

目標金額に達したら債券などの安定資産へシフトを検討する

20年というゴールが見えてきたら、徐々にリスクの取り方を見直す「リバランス」も検討しましょう。例えば、教育資金や老後資金など、使う時期が決まっているお金の場合、20年目の直前に暴落が来ると計画が狂ってしまいます。

そこで、目標金額の8割や9割に達した段階で、少しずつ株式の割合を減らし、債券や現金といった価格変動の少ない資産の割合を増やしていくという手法があります。これを「ターゲットイヤー戦略」のように個人で実践することで、資産の守りを固めることができます。

もちろん、資産を最大化したいのであれば、最後まで株式100%で運用する方が期待値は高いです。しかし、元本割れを絶対に避けたい、今の利益を確実に確保したいという場合は、早めに利益を確定させて安定資産に移すことも立派な戦略です。

自分がいつ、いくら使いたいのかという目的を明確にすることで、適切なリスクの下げ時が見えてきます。20年という長いスパンの中では、攻める時期と守る時期を使い分けることが、最終的な安心感につながります。

新NISAへの移行後もそのまま運用を続けるメリット

2024年から始まった新NISAでは、非課税期間が無期限になりました。これにより、旧つみたてNISAで20年経った後の資産を、慌てて売却する必要性が完全になくなりました。非課税期間が切れるタイミングで新NISA枠へ移し替えたり、そのまま特定口座で運用を続けたりすることが可能です。

もし20年後にひどい暴落が起きていたとしても、「あと10年待つ」という選択が容易になりました。時間は投資のリスクを薄める最大の特効薬です。非課税期間の終了を「売却のデッドライン」と考えず、資産形成の通過点だと捉え直してみてください。

さらに、運用を長く続けるほど「複利効果」が爆発的に大きくなります。20年目から30年目にかけての資産の伸びは、最初の10年間の伸びとは比較にならないほど大きくなるのが一般的です。余剰資金であるならば、そのまま運用を続けることが、最も効率的に資産を増やす方法になります。

新しい制度を賢く利用することで、20年後の元本割れリスクは実質的にさらに下げることができます。制度を味方につけ、余裕を持ったスケジュールで資産を育てていきましょう。焦って売る必要がないという安心感が、最良の運用結果をもたらしてくれます。

投資初心者でも安心して続けられるマインドセット

つみたてNISAで最も大切なのは、知識以上に「継続する力」です。20年という長い年月を乗り越えるには、正しいマインドセット(心の持ちよう)が欠かせません。不安に振り回されず、心地よく投資を続けていくための考え方を整理しましょう。

短期的な値動きに一喜一憂しない精神的な余裕

日々のニュースで株価が1,000円下がった、歴史的な暴落だといった報道を見ると、誰でも不安になるものです。しかし、つみたてNISAの主戦場は「20年後」であって「明日」ではありません。短期的な変動は、長いグラフで見れば小さなさざ波に過ぎません。

投資を始めたばかりの頃は、毎日アプリを開いて資産残高を確認してしまいがちですが、これはあまりおすすめしません。マイナスの数字を見てしまうと、脳は本能的に「痛みを避けたい」と反応し、積立を止めるなどの間違った行動を誘発するからです。

成功している投資家の多くは、自分が投資をしていることすら忘れている時間があると言います。「設定したから大丈夫」と自分を信頼し、普段の生活や仕事、趣味を充実させることに集中しましょう。投資は人生を豊かにするための手段であり、目的ではないはずです。

どうしても気になってしまう場合は、積立額を少し減らして、心の平安を保てる範囲で運用するのも一つの手です。無理のない範囲で、ゆっくりと歩みを進めることが、20年後のゴールにたどり着くための秘訣です。

生活防衛資金を確保した上での余剰資金運用

元本割れが怖くなる最大の理由は、そのお金が「すぐに使う予定のあるお金」だからかもしれません。投資に回すお金は、必ず「当面使う予定のない余剰資金」であることが大前提です。これを守るだけで、暴落時の不安は驚くほど軽減されます。

まず、急な病気や失業、家電の故障などに備えた「生活防衛資金」を現金の形で確保しましょう。一般的には生活費の半年から1年分程度と言われています。このしっかりとした土台があるからこそ、つみたてNISAでリスクを取った運用が可能になります。土台がグラグラだと、暴落時にパニックに陥りやすくなります。

また、直近数年以内に使う予定があるお金(結婚資金や車の購入代金など)も、つみたてNISAには向いていません。こうしたお金は銀行預金などで確実に守り、20年以上先まで使わないお金だけを市場に投入するようにしてください。

「このお金は最悪ゼロになっても、今の生活は困らない」と思える範囲で運用していれば、20年後に多少の価格変動があっても冷静でいられます。心の余裕は、盤石な家計管理から生まれることを忘れないでください。

理想的な資産の使い分け

  1. 生活防衛資金: 現金で確保(半年〜1年分の生活費)
  2. 短期・中期資金: 現金や定期預金(2〜5年以内に使うお金)
  3. 長期資金: つみたてNISAなどの投資(10年、20年以上使わないお金)

20年という時間の力を信じて待つことの重要性

最後に、もっともシンプルで強力なルールは「待つこと」です。アインシュタインが「人類最大の発見」と呼んだ複利の力は、時間が経てば経つほど加速的に資産を増やしてくれます。最初の数年は思うように増えず、むしろマイナスになる時期もあるでしょう。しかし、そこをじっと耐えた先にだけ、大きな果実が待っています。

20年という月日は、子供が成人し、社会が大きく変わるほどの長い時間です。その間、世界中で新しい発明が生まれ、ビジネスが成長し、人々の生活が向上していきます。私たちが投資しているのは、そうした「人類の進歩」そのものです。

世界経済の成長を信じ、設定した積立をただ継続する。これは退屈な作業かもしれませんが、投資において「退屈であること」は正しい道を進んでいる証拠でもあります。刺激を求めず、時間を味方につけて、ゆっくりと資産が育つのを待ちましょう。

もし20年後に元本割れをしていたら、その時は世界経済が崩壊しているような異常事態です。しかし、過去の歴史を振り返れば、人類はどんな危機も乗り越えて成長を続けてきました。その力を信じることが、つみたてNISAを成功させる最後の一押しになります。

つみたてNISAで20年後に元本割れを防ぐためのポイントまとめ

まとめ
まとめ

つみたてNISAで20年後の元本割れを過度に恐れる必要はありません。これまでの解説を振り返り、大切なポイントをまとめます。

まず、20年以上の長期投資において元本割れする確率は過去のデータ上、非常に低いことが分かっています。全世界株式やS&P500といった広く分散された低コストなインデックスファンドを選び、淡々と積み立てを続けることが、リスクを最小化する王道です。短期的な暴落は「安く買えるチャンス」と捉え、絶対に途中で止めないことが成功の鍵となります。

また、出口戦略についても「一括で売らない」「目標達成後に安定資産へ移す」といった工夫をすることで、最後の一歩で躓くリスクを抑えられます。何より大切なのは、生活防衛資金を確保した上で、心の余裕を持って20年という時間を味方につけることです。

資産運用に絶対はありませんが、正しいルールを守って継続すれば、20年後にはきっと今の自分に感謝する日が来るはずです。不安になった時はこの記事を読み返し、長期投資の本質を思い出してください。一歩ずつ、着実に将来の安心を築いていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました