資産運用を始める際、多くの人が耳にするのが「ドルコスト平均法」です。つみたてNISAやiDeCoなどの普及により、定額でコツコツと積み立てる手法は王道とされています。しかし、この方法が常に万能であるわけではありません。メリットが強調されがちですが、実は特有の弱点やリスクも存在します。
ドルコスト平均法 デメリットを正しく理解していないと、期待していたような成果が得られなかったり、途中で運用を断念してしまったりする可能性があります。長期的な資産形成を成功させるためには、良い面だけでなく、注意すべき側面にも目を向けることが非常に重要です。
この記事では、ドルコスト平均法のデメリットに焦点を当て、どのようなケースで損をしやすいのか、一括投資と比べて何が劣るのかを分かりやすく解説します。自分の投資スタイルに合っているかどうかを判断する材料として、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
ドルコスト平均法のデメリットとリスクを正しく理解する

ドルコスト平均法は、価格が変動する商品を「常に一定の金額で」買い続ける手法です。価格が高いときには少なく、安いときには多く買うことで、平均的な取得単価を抑える効果があります。しかし、この仕組み自体が、特定の状況下ではデメリットとして働いてしまうのです。
投資の平均取得単価は下がるが元本割れは防げない
ドルコスト平均法の最大の目的は、平均取得単価を平準化することにあります。しかし、どれだけ単価を下げることができたとしても、最終的な資産価格が平均取得単価を下回ってしまえば、当然ながら元本割れが発生します。これは投資である以上避けられないリスクの一つです。
例えば、長期間にわたって積み立てを続けても、売却しようとするタイミングで市場が暴落していれば、それまでの努力が水の泡になる可能性もあります。「ドルコスト平均法を使っているから絶対に安心だ」という過信は禁物です。この手法はあくまで「高値掴みのリスクを分散する」ためのものであり、損失をゼロにする魔法のような仕組みではありません。
特に、右肩下がりで価値が下がり続けるような商品に投資してしまった場合、ドルコスト平均法は「損失を積み増し続ける行為」になってしまいます。投資対象が将来的に成長するかどうかを見極める力は、どのような手法を使っても必要不可欠な要素と言えるでしょう。
ドルコスト平均法は、あくまで「購入価格をならす」手法です。出口戦略(売る時期)の市場状況によっては、元本を下回るリスクがあることを忘れないようにしましょう。
短期間での大きな利益は期待しにくい
ドルコスト平均法は、時間をかけて資産を積み上げていく手法であるため、短期間で資産を倍増させるような爆発力はありません。一度にまとまった資金を投入するわけではないので、価格が急上昇したときの恩恵を十分に受けられないというデメリットがあります。
例えば、ある銘柄が急激に値上がりし始めたとき、一括投資をしていればその上昇分のすべてが利益になります。一方で、ドルコスト平均法の場合は「これから少しずつ買っていく」状態であるため、上昇後の高い価格で買い増すことになり、利益の伸びが緩やかになってしまいます。
このように、短期的な市場の波を捉えて大きな利益を得たいと考える投資家にとっては、ドルコスト平均法は非常にもどかしい手法に感じられるはずです。資産形成のスピードを重視する場合、積立投資だけでは目標達成までに非常に長い年月がかかることを覚悟しなければなりません。
また、積立初期の段階では運用資産額が小さいため、どれだけ価格が上昇しても金額ベースでの利益はごくわずかです。複利の効果が実感できるほど資産が育つまでには、少なくとも10年単位の我慢が必要になるケースがほとんどです。
右肩上がりの相場では一括投資に劣る
投資の世界において、常に右肩上がりで成長し続ける市場であれば、ドルコスト平均法よりも「一括投資」の方が圧倒的に有利になります。なぜなら、一番安い価格である「今」この瞬間にすべての資金を投入した方が、将来的な利益が最大化されるからです。
ドルコスト平均法では、時間の経過とともに購入価格が上がっていくことになります。これは、せっかくの投資チャンスを自ら逃している状態とも言えるのです。この状況を専門用語で「機会損失」と呼びます。投資効率を最優先する場合、右肩上がりの局面での積立はコストを高める要因にしかなりません。
特に過去のアメリカ株式市場(S&P500など)のように、長期的かつ継続的な成長が続いてきた指標を対象にする場合、一括投資の方がパフォーマンスが高かったというデータも多く存在します。リスクを分散するために時間を分けることが、結果としてリターンを押し下げる「代償」になっている事実は知っておくべきでしょう。
ただし、将来が「右肩上がりになる」と確信できる人は誰一人いません。そのため、パフォーマンスが落ちる可能性を理解した上で、精神的な安定を取るためにドルコスト平均法を選択するというのが現実的な考え方となります。
ドルコスト平均法が向かないケースやタイミング

ドルコスト平均法はどのような場面でも推奨されるわけではありません。状況によっては、この手法を採用することで逆に損をしてしまったり、非効率な運用になってしまったりすることがあります。ここでは、積立投資を避けるべき、あるいは再検討すべきケースを見ていきましょう。
手数料が高い投資信託や商品を選んでいる場合
ドルコスト平均法で少額ずつ積み立てる場合、取引ごとに発生する「手数料」が大きな障壁となることがあります。最近ではネット証券を中心に購入手数料が無料(ノーロード)の商品が増えていますが、銀行や対面証券の窓口などで販売されている商品には、いまだに高い手数料が設定されているものがあります。
毎月の投資額が1万円で、購入手数料が3%かかるとすると、投資した瞬間に300円が引かれ、実質的には9,700円分しか運用に回らないことになります。これを長期間続けると、支払う手数料の総額は馬鹿にできない金額に膨らみます。運用のパフォーマンスが手数料を上回らなければ、資産は増えるどころか減り続けてしまいます。
また、購入時だけでなく保有期間中にかかる「信託報酬」も重要です。ドルコスト平均法は長期運用が前提となるため、わずか0.1%の差が数十年後には数十万円、数百万円の差となって現れます。コスト意識を低く持って運用を始めてしまうことこそが、この手法における大きな落とし穴と言えるでしょう。
手数料のデメリットを抑えるポイント
・購入時手数料が無料(ノーロード)の商品を選ぶ
・信託報酬(管理コスト)が低いインデックスファンドを優先する
・ネット証券を活用し、無駄なコストを徹底的に排除する
投資期間が極端に短い場合
ドルコスト平均法は、価格変動を味方につけて平均単価を下げる手法であるため、その効果を発揮するには一定以上の期間が必要です。数ヶ月から数年程度の短い期間では、購入回数が少なすぎて価格の平準化が十分に行われません。そのため、偶然高い時期にだけ買って終わってしまうリスクもあります。
例えば、3年後に使うことが決まっている教育資金や住宅購入資金を、ドルコスト平均法で運用するのはリスクが高いと言えます。運用期間の終盤に大きな下落が来た場合、平均化の恩恵を受ける前に売却せざるを得ず、大きな損失を抱えたまま現金化することになりかねません。
短期間での運用は、単なる「分散されていない投資」になりがちです。相場が良いときは問題ありませんが、悪いときに備える力が弱いのが短期積立の弱点です。ドルコスト平均法のメリットを享受したいのであれば、最低でも10年、できれば20年以上の長期スパンで計画を立てるのが一般的です。
短期的な資金ニーズに対しては、無理に投資を行うのではなく、預貯金などの元本が保証された金融商品で備える方が賢明な判断となる場合が多いでしょう。自分のライフプランと照らし合わせ、運用に充てられる時間を冷静に計算する必要があります。
既にまとまった資金がある場合の機会損失
退職金や相続などで、既に数千万円といったまとまった資金を手元に持っている場合、それをあえて小出しにしてドルコスト平均法で投資するのは非効率な場合があります。全額を市場に投入するまでに何年もかけてしまうと、その間、待機させている現金は一円の利益も生み出さないからです。
市場が長期間にわたって上昇傾向にある場合、最初に全額投資していれば得られたはずの利益(期待リターン)を、分割することで失ってしまうことになります。これが前述した「機会損失」の具体的な中身です。投資の世界では「市場に資金を置いている期間が長いほど有利」という大原則があるため、意図的な分割はこれに逆行する形となります。
もちろん、一括投資直後に暴落するリスクを恐れる気持ちは理解できますが、論理的な資産効率だけで考えれば、ドルコスト平均法は「弱気な投資判断」とも捉えられます。資金が豊富にある人は、一括投資と積立投資のバランスをどう取るかを、より慎重に検討しなければなりません。
例えば、全額を一度に投資するのが怖ければ、2〜3回に分けて数ヶ月おきに投入するなど、ドルコスト平均法よりも少し早いペースで資金を動かす方法も検討に値します。完全に機械的な積立に固執しすぎることが、富を築くスピードを遅らせてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
運用中に直面しやすい精神的なデメリットと運用の落とし穴

ドルコスト平均法は「自動的に積み立てるから楽だ」と思われがちですが、実際に運用を始めてみると、感情に左右される場面が多々あります。理論上は正しくても、人間の心理がそれを邪魔し、結果として失敗を招くことがあるのです。ここでは精神面や運用管理上のデメリットを見ていきます。
相場の下落局面で積立を停止してしまう心理的負担
ドルコスト平均法の真骨頂は、価格が下がっているときに多くの量を買い込むことにあります。しかし、実際に自分の資産残高が日々減っていく様子を目の当たりにすると、多くの人は恐怖を感じます。「このまま下がり続けたらどうしよう」「今のうちにやめた方がいいのではないか」という心理が働きます。
この恐怖に耐えきれず、積立を停止したり、保有している商品をすべて売却してしまったりすることを「狼狽売り(ろうばいうり)」と言います。これをしてしまうと、ドルコスト平均法の「安値で仕込む」という最大のメリットを自ら放棄することになり、それまでの投資が完全に失敗に終わります。
頭では「安い時こそチャンス」と分かっていても、実行に移すのは非常に難しいものです。特に暴落が半年、1年と続いた場合、精神的な疲弊は相当なものになります。ドルコスト平均法は、自分の感情をコントロールし続けなければならないという、目に見えない高いハードルが存在する手法なのです。
このデメリットを克服するには、最初から「暴落は必ず来るもの」と想定しておくことや、資産状況を頻繁にチェックしすぎないといった工夫が必要です。しかし、それができない投資家にとっては、積立投資は常にストレスの源になりかねません。
資金効率が悪くなることがあるキャッシュポジションの保持
ドルコスト平均法を続けるためには、毎月の積立額を常に確保しておく必要があります。これは裏を返せば、投資に回せるお金があるのに、あえて「現金(キャッシュ)」として持っておかなければならない期間が生じるということです。この現金として保持している状態をキャッシュポジションと言います。
投資効率を極限まで高めようとする投資家にとって、何も生み出さない現金が手元にあることはデメリットになります。インフレ(物価上昇)が進行している経済下では、現金の価値自体が目減りしていくため、投資を先延ばしにするほど実質的な資産価値が損なわれるリスクがあるからです。
また、積立用の資金を銀行口座に置いておくことで、つい別のことに使ってしまうという誘惑も生じます。「今月は急な出費があったから積立を1回休もう」といった妥協が積み重なると、当初計画していた資産形成のシミュレーションが崩れてしまいます。
このように、常に資金を「待機」させておくこと自体が、投資戦略上のコストになり得るという点は意外に見落とされがちです。資金力がある程度ある人にとっては、ドルコスト平均法は資金の回転率を落とす足かせのように感じられることもあるでしょう。
出口戦略(売却タイミング)の難しさ
ドルコスト平均法は「買い方」については非常に明確なルールがありますが、「売り方(出口戦略)」については明確な答えを示してくれません。長年積み立てて資産が大きく膨らんだ後、いつ、どのように売却するかが非常に難しい問題となります。
運用期間の終盤、例えば資産が3,000万円まで育ったとします。このとき、市場が10%下落すると300万円もの資産が一瞬で吹き飛びます。毎月数万円の積み立てを続けていても、この巨大な下落をカバーすることは不可能です。つまり、運用期間が長くなるほど、ドルコスト平均法によるリスク分散効果は薄れていくのです。
投資の終わり際に大暴落に遭遇してしまうと、それまでの数十年の努力が水の泡になるかもしれません。この「出口のリスク」は、ドルコスト平均法を実践するすべての人が直面する大きなデメリットです。いつ売却を始めるべきか、一気に売るのか、売るときも分割するのかといった判断を、自分で行わなければなりません。
多くの人は買うことには熱心ですが、売ることについては無頓着になりがちです。しかし、最終的に現金化して利益を確定させなければ、資産運用は成功とは言えません。この出口戦略の難しさは、ドルコスト平均法という手法自体が抱える本質的な課題です。
資産が大きくなるにつれて、月々の積立による平均化効果は弱まります。後半戦になるほど、暴落によるダメージが大きくなる点に注意が必要です。
一括投資と比較してわかるドルコスト平均法の限界

資産運用の手法としてよく対比されるのが「一括投資」です。ドルコスト平均法のデメリットをより深く理解するためには、一括投資と比較した際にどのような限界があるのかを知ることが近道です。ここでは、両者の違いから見えてくる欠点を整理します。
上昇トレンド継続中におけるコストパフォーマンスの違い
市場が明確な上昇トレンドにあるとき、ドルコスト平均法は一括投資に比べて明らかにコストパフォーマンスが悪くなります。一括投資であれば、上昇が始まる前の最も低い価格で全資金を投入できるため、上昇期間のすべてを利益に変えることができます。
一方、ドルコスト平均法では、価格が上がるにつれて少しずつ買い増していくため、購入単価がどんどん高くなります。結果として、最終的な保有数量は一括投資よりも少なくなり、評価益も小さくなってしまいます。これは「価格変動リスクを抑えるためのコスト」として支払っているようなものです。
以下の表は、右肩上がりの相場における一括投資とドルコスト平均法の簡易的な比較です。同じ資金を使っても、手法によって最終的な成果に差が出ることがわかります。
| 期間 | 市場価格 | 一括投資の購入状況 | ドルコスト平均法の購入状況 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 1,000円 | 120万円分購入(1,200口) | 10万円分購入(100口) |
| 6ヶ月目 | 1,500円 | 追加購入なし | 10万円分購入(約66口) |
| 12ヶ月目 | 2,000円 | 追加購入なし | 10万円分購入(50口) |
| 結果 | – | 取得単価 1,000円 | 取得単価が上昇し続ける |
このように、成長が約束されているような状況下では、ドルコスト平均法を選択することは「利益を自ら削る行為」になりかねないという限界があります。市場の先読みは不可能ですが、過去のデータに基づけば、長期的な株式投資においては一括投資の方が期待値が高いとされることが多いのです。
複利効果の最大化を狙う際の時間的な遅れ
投資の大きな魅力である「複利効果」は、元本に利益が加わり、その合計に対してさらに利益が発生する仕組みです。この効果を最大化するためには、「より大きな金額を」「より長い期間」運用することが鉄則となります。
ドルコスト平均法は、資金を少しずつ市場に投入するため、大きな金額が運用に回るまでに時間がかかります。最初の数年間は運用額が小さいため、得られる利益も微々たるものです。その間に一括投資をしていれば、全額に対して複利が働き始め、時間の経過とともにドルコスト平均法との差は絶望的なまでに広がっていきます。
「時間を分散する」という言葉は聞こえが良いですが、それは同時に「複利の種を植えるのを先延ばしにしている」とも言い換えられます。特に20代や30代といった、運用期間を長く確保できる若い世代にとっては、資金があるのなら早めに投入した方が複利の恩恵をフルに受けられる可能性が高いのです。
もちろん、一度に大金を失うリスクを避けるという意味ではドルコスト平均法は有効ですが、資産を最大化させるという目的においては、どうしても時間的なロスが発生してしまう点が大きなデメリットとなります。
市場の変化に柔軟に対応しづらい仕組み上の特徴
ドルコスト平均法は「機械的に買い続ける」ことをルールとしています。これは感情を排除できるという点ではメリットですが、市場の明らかな変化に対して柔軟に対応できないというデメリットにもなります。例えば、投資対象のファンドのパフォーマンスが明らかに悪化したり、投資環境が劇的に変わったりした場合でも、設定を解除しない限り買い続けてしまいます。
また、市場が歴史的な安値を付けて「今こそ絶好の買い場だ」という局面でも、ドルコスト平均法では決まった金額しか買いません。資産を大きく増やすチャンスが目の前にあっても、ルールに従うことでそのチャンスをスルーしてしまうことになります。
自分で相場を判断して動く一括投資やスポット購入であれば、割安な時期に集中的に資金を投じることも可能です。しかし、ドルコスト平均法に依存しすぎると、相場観を養う機会を失い、単にシステムに身を任せるだけの投資家になってしまう懸念もあります。
運用のプロや、市場を注意深く観察している投資家からすれば、ドルコスト平均法はあまりに受動的で、非効率な手法に見えることもあるでしょう。仕組みに頼り切りになることで、投資の本質である「安く買って高く売る」という努力を怠ってしまうことは、長期的には隠れたリスクになり得ます。
デメリットをカバーして賢く資産運用を続けるコツ

ここまでドルコスト平均法のデメリットを詳しく見てきましたが、これらを完全に回避する方法はありません。しかし、デメリットを最小限に抑え、弱点を補いながら運用を続けるコツは存在します。失敗の確率を下げるために意識すべきポイントを整理しましょう。
信託報酬の低いインデックスファンドを厳選する
手数料というデメリットを打ち消すためには、徹底的な低コスト戦略が求められます。ドルコスト平均法で選ぶべきは、市場全体に投資する「インデックスファンド」の中でも、特に信託報酬が業界最低水準のものに限定すべきです。コストを極限まで下げることで、長期間の積み立てによる手数料の積み上がりを抑えることができます。
投資信託の説明書である「目論見書」を必ず確認し、管理費用が年率0.1%を切るような優良なファンドを探しましょう。対面販売の銀行などで勧められる、信託報酬が1%を超えるようなアクティブファンドは、ドルコスト平均法との相性が極めて悪いため避けるのが無難です。
また、最近ではクレジットカード積立などでポイント還元が受けられるサービスも増えています。こうした仕組みを活用すれば、実質的なコストをさらに下げることが可能です。わずかな差に見えても、20年、30年というスパンでは大きな利益の差となって返ってきます。
暴落時こそ淡々と続けるためのルール作り
精神的な負担を軽減し、下落局面での積立停止を防ぐには、あらかじめ自分なりの「行動ルール」を決めておくことが重要です。例えば、「資産が30%減っても設定は絶対に変更しない」「ニュースを見すぎない」といったルールです。可能であれば、銀行口座から自動で引き落とされる設定にし、自分の意思が介在する余地をなくしてしまうのが一番です。
また、投資に回すお金は「最悪なくなっても生活に困らない余剰資金」だけに限定することも鉄則です。生活防衛資金をしっかり確保できていれば、市場が荒れていても心の余裕を保ちやすくなります。精神的なデメリットを克服する鍵は、投資の技術よりも、むしろ「家計の安定」にあると言っても過言ではありません。
暴落しているときは、同じ金額でより多くの「口数」を購入できている状態です。これを「バーゲンセール」とポジティブに捉えられるよう、投資教育を自分自身に施しておくことも有効です。成功者の多くは、こうした苦しい時期を乗り越えて資産を築いています。
ライフステージに合わせたリバランスの重要性
「出口戦略が難しい」というデメリットに対しては、リバランス(資産構成の再調整)が有効な対策となります。運用終盤になってから慌てて売るのではなく、目標金額に近づくにつれて、少しずつ株式などのリスク資産を売却し、債券や現金などの安全資産に移していく作業です。
例えば、50代に入ったら、それまで積み立ててきた株式ファンドの一部を売却し、変動の少ない資産に組み替えていくことで、引退直前の暴落によるダメージを和らげることができます。ドルコスト平均法で「買う」だけでなく、計画的に「守り」にシフトしていく視点が必要です。
また、年に一度は自分の資産配分を確認し、当初の計画から大きく外れていないかをチェックしましょう。特定の資産が増えすぎていればそれを売り、減っているものを買い増すことで、結果的に「高い時に売り、安い時に買う」という理想的な行動を自動的に行うことができます。
ドルコスト平均法はスタートさせるのは簡単ですが、ゴールに向かって調整を続けるのは自分の仕事です。ライフステージの変化に合わせて柔軟に運用方針を見直すことが、最終的な成功を手にするための重要なプロセスとなります。
まとめ:ドルコスト平均法のデメリットを理解して納得感のある投資を
ドルコスト平均法は、初心者にとって非常に始めやすく、リスクを抑えやすい優れた手法であることは間違いありません。しかし、今回解説したように、決して万能ではなく、無視できないデメリットも存在します。ここで、主なポイントを振り返ってみましょう。
・元本割れを完全に防ぐことはできず、出口での暴落には弱い
・短期間で大きな利益を出すのは難しく、爆発力に欠ける
・右肩上がりの相場では、一括投資に比べて利益が少なくなる(機会損失)
・手数料が高い商品を選ぶと、運用効率が著しく低下する
・暴落時に積立を止めてしまう心理的ハードルが高い
これらのデメリットを理解した上で大切なのことは、ドルコスト平均法を「盲信する」のではなく、一つの「手段」として使いこなすことです。もしあなたが「一分一秒でも早く、最大の利益を得たい」と考えているのであれば、ドルコスト平均法は物足りないかもしれません。一方で、「日々の生活を大切にしながら、長期的に着実な資産形成を目指したい」のであれば、デメリットを差し引いても非常に有用な手法となります。
大事なのは、メリットだけでなくデメリットにも納得した上で、自分の資産運用に取り入れることです。相場の良し悪しに一喜一憂せず、冷静にリスクを管理しながら、自分に合ったペースで投資を続けていきましょう。


