資産運用を始めたばかりの20代の方にとって、成長著しい新興国への投資は非常に魅力的に映るはずです。インドや東南アジアなどの国々が発展していく勢いを、自分の資産形成に取り込みたいと考えるのは自然なことです。しかし、新興国株は値動きが激しく、ポートフォリオに占める割合をどう決めるべきか迷うことも多いでしょう。
この記事では、20代が新興国株の割合を検討する際の目安や、リスクとリターンのバランスについて詳しく解説します。将来のために効率よくお金を増やしたいと考えている20代の皆さんが、自信を持って投資配分を決められるような情報をお届けします。投資の基礎知識を整理しながら、自分にぴったりの運用スタイルを見つけていきましょう。
新興国株の割合を20代で最適化するための基本的な考え方

20代の資産運用において、新興国株をどの程度の割合で組み込むかは、将来の資産額を大きく左右する要素です。新興国とは、現在はまだ経済発展の途上にありますが、将来的に高い成長が見込まれる国々を指します。投資の世界では、成長性が高い反面、価格の変動も大きいという特徴があります。
一般的に、20代は運用期間を長く確保できるため、多少のリスクを取ってでも高いリターンを狙える世代といわれています。新興国株を適切に取り入れることで、世界経済の成長の波に乗り、資産を大きく育てる可能性を高めることができます。まずは、自分にとって心地よいバランスを知ることから始めましょう。
全世界株式インデックスの比率を基準にする
新興国株の割合を考える際、まず基準となるのが「全世界株式(オール・カントリー)」などのインデックスに含まれる比率です。多くの全世界株式ファンドでは、市場の時価総額に合わせて投資配分を決めています。現在、新興国株が占める割合はおおよそ10%前後となっていることが多いです。
この10%という数字は、プロの投資家や多くの機関投資家が参照している世界標準のバランスといえます。もし「自分で細かく決めるのが難しい」と感じるのであれば、この10%前後を目安にするのが最も無難で合理的な選択です。世界の経済規模に合わせた投資を行うことで、特定の国に偏りすぎない運用が可能になります。
もちろん、この比率は経済状況によって変化しますが、基本の形として覚えておくと判断がスムーズになります。まずはこの基準を知った上で、自分のリスク許容度に合わせて割合を調整していくのがおすすめです。
リスク許容度に合わせて5%から20%の範囲で検討する
20代は長期投資が可能であるため、基準となる10%よりも少し多めに新興国株を持つ選択肢もあります。一般的には、リスクを抑えたい方は5%程度、積極的にリターンを狙いたい方は20%程度までの範囲で調整するのが現実的です。これ以上の割合になると、ポートフォリオ全体の安定性が損なわれる恐れがあります。
新興国株は一度下落し始めると、先進国株よりも大きく値下がりする傾向があります。そのため、自分の資産が一時的に大きく減っても、パニックにならずに持ち続けられるかどうかが重要です。20代であれば給与収入による補填も効きやすいため、リスクを取りやすい環境にあります。
投資配分の目安例
・安定重視:新興国株 5%
・標準的:新興国株 10%
・積極的:新興国株 20%
このように、自分の性格や家計の状況に合わせて、まずは無理のない範囲で割合を設定してみましょう。運用を続けていく中で、自分に合った比率が徐々に見えてくるはずです。
20代が持つ「時間の武器」を最大限に活用する
20代が新興国株に投資する最大のメリットは、運用期間が30年や40年と非常に長く取れる点にあります。投資において時間は強力な味方であり、短期間の激しい値動きも、長期間で見れば平均化されていく傾向があります。新興国の成長には時間がかかることも多いため、若いうちから投資を始めることは理にかなっています。
たとえ一時的に不況が訪れて新興国株が暴落したとしても、20代であれば回復を待つ時間が十分にあります。また、積立投資を継続することで、価格が安い時期に多くの数量を購入できる「ドル・コスト平均法」の効果も期待できます。これにより、将来的なリターンを高めるチャンスが広がります。
短期的なニュースに一喜一憂せず、数十年後の世界を見据えて投資を続けられるのは、若年層だけの特権です。新興国株の割合を決める際も、目先の利益ではなく、遠い将来の成長を信じられる分だけ持つという視点が大切です。
資産運用の目的とゴールを再確認する
新興国株の割合を決める前に、なぜ資産運用をしているのかという目的を明確にしましょう。結婚資金や住宅購入の頭金など、近い将来に使う予定があるお金であれば、リスクの高い新興国株の割合は低くすべきです。一方で、老後の備えなど数十年先のお金であれば、多少のリスクを取って割合を高めることができます。
目的が曖昧なまま割合だけを決めてしまうと、運用がうまくいかない時に軸がぶれてしまいます。新興国株はあくまで「資産をより大きく増やすためのスパイス」のような役割として捉えるのが健全です。メインとなるのは先進国株や国内株とし、そこに新興国株をどう添えるかを考えてみてください。
20代のうちに自分なりの投資方針を固めておけば、その後の人生での資産形成が非常にスムーズになります。割合の数字だけにこだわるのではなく、その数字の裏にある自分の考えを大切にしましょう。
20代が新興国株に投資するメリットと期待できる成長性

なぜ多くの投資家が、不安定な面もある新興国に注目するのでしょうか。それは、先進国にはない爆発的な成長の可能性を秘めているからです。20代の皆さんが投資人生を歩む中で、新興国が世界経済に占める重要性はますます高まっていくことが予想されます。
新興国株をポートフォリオに組み込むことは、単なるギャンブルではなく、合理的な分散投資の一環です。成長の果実を手に入れるためには、その背景にある根拠を理解しておく必要があります。ここでは、新興国投資ならではの魅力について深掘りしていきましょう。
人口ボーナスによる長期的な経済成長
多くの新興国が持つ最大の強みは、若くて豊富な労働力です。人口ピラミッドが裾広がりになっており、働く世代が多い状態を「人口ボーナス」と呼びます。若者が多い国では消費が活発になり、インフラ整備やサービス業の発展が加速するため、経済が力強く成長しやすい特徴があります。
一方で、日本を含む先進国の多くは少子高齢化が進み、人口オーナス(負担)期に入っています。労働力が減り、社会保障費が増大する中では、かつてのような高い成長を維持するのは容易ではありません。そのため、成長の源泉を海外、特に勢いのある新興国に求めるのは非常に賢い選択といえます。
インドやアフリカ諸国、東南アジアの一部などは、今後数十年間にわたって人口が増え続けると予測されています。20代の方が現役で働いている間に、これらの国々が巨大な市場へと変貌を遂げる可能性は非常に高いでしょう。
中間層の拡大と内需の活性化
経済が発展するにつれて、新興国では「中間層」と呼ばれる人々が急増しています。これまでは日々の生活で精一杯だった人々が、家電製品を購入したり、外食を楽しんだり、教育に投資したりできるようになります。この購買力の向上が、現地の企業に莫大な利益をもたらします。
かつての中国がそうであったように、中間層の拡大は爆発的な消費を生み出します。インターネットやスマートフォンの普及も相まって、新興国独自の革新的なサービスが次々と誕生しています。投資家は新興国株を通じて、これら内需主導の成長の恩恵を受けることができるのです。
先進国の企業も新興国市場を狙っていますが、現地に根ざした企業の成長スピードには目を見張るものがあります。それらの企業に直接、あるいは指数を通じて投資できるのが、新興国株投資の醍醐味といえます。
分散投資によるポートフォリオの安定化
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があるように、資産を分散させることはリスク管理の基本です。米国株は非常に強力ですが、もし米国経済が停滞した場合、米国だけに投資していると資産は大きなダメージを受けます。そこに新興国株を加えておくことで、リスクを分散させる効果が期待できます。
先進国と新興国では、経済が動くサイクルや要因が異なる場合があります。先進国が低迷している時に、特定の資源を持つ新興国や、独自の経済成長を遂げる国が資産を下支えしてくれるかもしれません。20代のうちから世界の様々な地域に資産を散らしておくことは、長期的な安定につながります。
もちろん、現代はグローバル化が進んでいるため、全く別々の動きをすることはありません。しかし、投資先を広げることで、どこか一箇所の不調が全財産の喪失につながる事態を避けることができるのです。
テクノロジーの飛躍的発展(リープフロッグ現象)
新興国では、既存の不便な技術を飛び越えて、一気に最先端の技術が普及することがあります。これを「リープフロッグ(カエル跳び)現象」と呼びます。例えば、固定電話が普及する前に誰もがスマートフォンを持ち始めたり、銀行口座を持つ前にモバイル決済が標準になったりする現象です。
この現象により、新興国の企業は先進国の企業が経験した「古い設備からの脱却」という苦労をせずに、効率的なビジネスモデルを構築できます。その結果、短期間で世界的な企業へと成長するケースも珍しくありません。20代の投資家にとって、このような破壊的な成長を遂げる企業に投資できるチャンスは魅力的です。
新しい技術が社会をどう変えていくかを見守りながら投資を行うことは、知的な楽しみでもあります。新興国株は、単なる数字のやり取り以上のワクワク感を投資家に与えてくれる存在です。
知っておきたい新興国株投資のリスクと注意点

高い成長性が魅力の新興国株ですが、その裏側には相応のリスクが潜んでいます。20代の皆さんが資産運用で失敗しないためには、良い面だけでなく、負の側面もしっかりと理解しておくことが不可欠です。リスクを知ることは、投資をやめるためではなく、適切に向き合うために必要なプロセスです。
新興国市場は先進国市場に比べて未熟な部分が多く、予想外の出来事が発生しやすい環境にあります。資産を新興国株に振り向ける際は、これから挙げるポイントを常に念頭に置いておきましょう。準備ができていれば、市場が荒れた際も冷静に対応できるはずです。
カントリーリスクと政治的不安
新興国投資において最も警戒すべきなのが「カントリーリスク」です。これは、その国の政治体制の変化や、法規制の突然の変更によって投資環境が悪化するリスクを指します。民主主義が十分に定着していない国では、政権交代やクーデターなどが株価に壊滅的な打撃を与えることがあります。
また、外資への規制が強化されたり、企業の国有化が進んだりといった、投資家の権利が守られない事態も想定されます。先進国では考えにくいような事態が起こり得るのが、新興国市場の難しさです。情報を集める際も、経済ニュースだけでなく現地の社会情勢に目を配る必要があります。
特定の国に集中して投資をすると、その国の政治問題に資産を左右されすぎてしまいます。そのため、複数の新興国に分散して投資するインデックスファンドなどを活用し、個別国のリスクを軽減するのが一般的な手法です。
為替変動による資産価値の変化
新興国株に投資する場合、現地の通貨建てで資産を持つことになります。たとえ株価自体が上昇していても、その国の通貨が円に対して大きく売られてしまう(円高・現地通貨安)と、日本円に直した時の資産価値は減少してしまいます。新興国の通貨は先進国の通貨に比べて信用力が低く、乱高下しやすい傾向があります。
経済危機が起こると、投資家はリスクの高い新興国通貨を売り、安全とされる円やドルを買い戻す動きを強めます。その結果、株安と通貨安のダブルパンチを受けることも珍しくありません。為替の影響を直接受けることは、新興国投資を難しくしている要因の一つです。
為替の予測はプロでも困難であるため、あまり一喜一憂しすぎないことが大切です。長期間の積立投資を行うことで、為替レートの違いを平均化していく「時間的な分散」を意識しましょう。20代の長い運用期間があれば、一時的な為替損もカバーできる可能性が高まります。
市場の透明性と情報の少なさ
先進国の市場と比べると、新興国の企業情報は入手しにくいのが現状です。決算書の内容が信頼できるか、不正が行われていないかといった「情報の透明性」に不安が残る銘柄も存在します。また、言語の壁があるため、タイムリーに重要な情報を得ることが難しい場合も多いでしょう。
情報が少ないということは、思わぬ不祥事で株価が急落するリスクが高いことを意味します。個人投資家が地球の裏側にある新興企業の詳細を把握するのは、ほぼ不可能です。そのため、個別の企業に詳しくない場合は、無理に個別株に手を出さず、パッケージ化された投資信託を利用するのが賢明です。
投資信託であれば、運用のプロが調査を行い、ルールに基づいて銘柄を入れ替えてくれます。不透明な市場だからこそ、信頼できる仕組みを通じて投資を行う姿勢が求められます。
新興国株のリスクまとめ:
・政治や社会の混乱による「カントリーリスク」がある
・通貨の価値が不安定な「為替リスク」がある
・企業の財務情報などが分かりにくい「不透明性」がある
・不況時には先進国株よりも大きく売られやすい
流動性リスクと売買のしにくさ
新興国市場は取引参加者が少ないため、売買がスムーズに行えない「流動性リスク」があります。特に市場がパニックに陥った際、売りたくても買い手がつかず、想定外の安値でしか売却できないといった事態が起こり得ます。これは、資産をすぐに現金化したい時に大きな障害となります。
大規模な市場である米国や日本に比べると、新興国の市場規模は限定的です。大きなお金が一度に動くと、それだけで価格が大きく跳ね上がったり、暴落したりすることもあります。このような値動きの激しさは、精神的なストレスにもつながりやすいです。
20代のうちは、急いで資産を売却しなければならない場面は少ないかもしれませんが、将来的に資産を切り崩す時期になった時にはこのリスクが重要になります。新興国株はあくまで「すぐに使う予定のないお金」で運用することが鉄則です。
20代におすすめの具体的な新興国株への投資方法

新興国株への投資には、いくつかの具体的な方法があります。20代の方が手軽に、かつ低コストで投資を始めるには、ネット証券を活用した投資信託やETF(上場投資信託)の利用が最も現実的です。以前に比べて、現在は非常に質の高い金融商品が数多く登場しています。
投資手法を選ぶ際のポイントは「コストの低さ」と「手間のかからなさ」です。仕事や趣味に忙しい20代にとって、毎日チャートを眺める必要のある投資は長続きしません。放っておいても自動的に世界中に分散投資ができる仕組みを整えることが、成功への第一歩となります。
投資信託(インデックスファンド)の活用
最もおすすめなのは、新興国の株式指数に連動するように運用される投資信託(インデックスファンド)です。これを利用すれば、100円からという少額で、数十カ国、数百もの企業に一括で分散投資ができます。特に「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」のような低コストな商品が人気です。
インデックスファンドの利点は、保有中にかかる手数料(信託報酬)が非常に安いことです。新興国投資はただでさえリスクが高いため、余計なコストで利益を削られないようにすることが重要です。また、積立設定をしておけば、毎月決まった額を自動で買い付けてくれるため、購入タイミングに悩むこともありません。
新興国は浮き沈みが激しいため、特定の銘柄を当てるのは困難です。しかし、市場全体を丸ごと買うインデックスファンドなら、その地域の成長を確実に捉えることができます。初心者から上級者まで、幅広く支持されている投資方法です。
米国上場ETF(VWOなど)による投資
ある程度投資に慣れてきたら、米国市場に上場しているETF(上場投資信託)を検討しても良いでしょう。代表的な銘柄に「Vanguard FTSE Emerging Markets ETF (VWO)」があります。これは世界最大の資産運用会社の一つであるバンガード社が提供しており、世界中の投資家が利用しています。
米国上場ETFのメリットは、信託報酬が極めて低く、非常に多くの銘柄に分散されている点です。また、ドル建てで資産を持つことになるため、円以外の通貨で資産を保有したいというニーズにも応えられます。ただし、購入時に日本円を米ドルに替える手間や手数料がかかる点には注意が必要です。
20代のうちからドルでの資産形成に慣れておくことは、将来的なグローバル投資において役立ちます。ただし、為替の手続きや確定申告の知識が必要になる場合があるため、まずは日本の投資信託から始め、ステップアップとして考えるのがスムーズです。
NISA制度をフル活用して非課税で運用する
20代が投資を行う上で絶対に外せないのが「NISA(少額投資非課税制度)」です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えば利益がまるまる自分の手元に残ります。新興国株のように高いリターンが期待できる資産こそ、非課税の恩恵が大きくなります。
「つみたて投資枠」を利用すれば、金融庁が厳選した低コストなファンドに長期間投資できます。また「成長投資枠」を使えば、特定の地域のETFなども購入可能です。非課税期間が無期限化された現在のNISAは、長期投資を行う20代にとって最強の味方といえます。
投資を始める際は、まずNISA口座を開設し、その枠内で新興国株の割合を調整していくのが最も効率的です。税金を抑えることは、確実なリターンアップにつながります。まずはNISAで対象となっている新興国株ファンドをチェックしてみましょう。
全世界株式(オール・カントリー)一本に任せる選択肢
自分で新興国株の割合を決めるのが面倒、あるいは不安だという方には「全世界株式(オール・カントリー)」型のファンド一本で運用する方法が最もシンプルです。このタイプのファンドは、日本、先進国、新興国のすべてを時価総額に応じた適切な割合で自動的に組み合わせてくれます。
これを選べば、新興国の経済規模が大きくなれば自然と新興国の比率が上がり、逆に衰退すれば比率が下がるという調整を運用会社が行ってくれます。リバランス(資産の再配分)を自分でする手間が省けるため、忙しい20代には最適な選択肢の一つといえるでしょう。
オール・カントリー型の魅力
・一本で世界中の株式に投資できる
・新興国の割合も「市場の正解」に合わせて自動調整される
・管理が非常に楽で、投資を忘れられる
新興国株の割合に悩みすぎて投資を始められないくらいなら、まずはオール・カントリーで「世界標準の比率」を取り入れることから始めてみてください。それが最も失敗の少ない、王道の資産形成術です。
20代が理想のポートフォリオを組むためのステップ

新興国株の割合が決まったら、次はそれをどのように自分のポートフォリオ(資産の組み合わせ)に落とし込んでいくかを考えましょう。投資はバランスが命です。新興国株だけを大量に持つのではなく、他の資産と組み合わせることで、初めて健全な運用が可能になります。
20代はこれから数十年続く投資生活の入り口に立っています。最初から完璧な構成を目指す必要はありませんが、基本的な構成の作り方を知っておくことで、将来の不安を大きく軽減できます。自分だけの最適なバランスを形にするためのステップを解説します。
まずは米国株や先進国株をコア(中心)に据える
ポートフォリオを構築する際、まず考えるべきなのは「コア」となる資産です。20代の投資においてコアにふさわしいのは、長期的に安定した成長が見込める米国株や先進国株です。これらは企業のガバナンス(統治)がしっかりしており、法整備も整っているため、資産の土台として適しています。
新興国株はあくまで「サテライト(衛星)」としての役割、つまりコア資産にプラスアルファの成長を付け加えるための存在として位置づけるのが基本です。例えば、ポートフォリオの80〜90%を先進国株とし、残りの10〜20%を新興国株に割り当てるという構成です。これにより、全体の安定性を保ちつつ、高い成長性も狙えるようになります。
中心となる土台がしっかりしていれば、新興国株が一時的に大きく値下がりしても、資産全体が致命的なダメージを受けることはありません。この「コア・サテライト戦略」は、リスク管理の王道として知られています。
現金(キャッシュ)の比率も忘れずに設定する
意外と忘れがちなのが、投資に回さない「現金」の割合です。どんなに優れた投資先であっても、全財産を株につぎ込むのは非常に危険です。特に20代は、急な転職や引越し、結婚など、ライフイベントでまとまったお金が必要になる機会が多い世代です。
最低でも生活費の3〜6ヶ月分、できれば1年分程度の現金は「生活防衛資金」として確保しておきましょう。この現金があるからこそ、新興国株が暴落しても「生活には困らないから大丈夫」と冷静に投資を続けることができます。心の余裕が、投資の成功を支える大きな要因となります。
投資額を増やすことばかりに目が行きがちですが、まずは強固な現金の土台を作ること。その上で、余剰資金の範囲内で新興国株の割合を調整していくことが、長く投資を続けるための秘訣です。
定期的なリバランスで割合を維持する
一度決めた割合も、時間が経つと市場の値動きによって崩れていきます。例えば、新興国株が絶好調で価格が上昇すると、ポートフォリオに占める新興国株の割合が予定より高くなってしまいます。これは、知らないうちに当初の想定よりも高いリスクを取っている状態を意味します。
そこで必要なのが「リバランス」です。半年に一度、あるいは一年に一度、資産の状況をチェックし、増えすぎた資産を売って、減った資産を買い足すことで、元の比率に戻します。これにより、高くなった資産を利益確定し、安くなった資産を押し目買いするという、理想的な売買を機械的に行うことができます。
「新興国株が上がっているからもっと増やそう」という感情的な判断を抑え、冷静にルールに従うことが資産を守ることにつながります。20代のうちにこの習慣を身につけておけば、大きな失敗を防げるようになります。
| 資産クラス | 標準的な配分例 | 積極的な配分例 |
|---|---|---|
| 先進国株(米国中心) | 80% | 70% |
| 新興国株 | 10% | 25% |
| 日本株 | 10% | 5% |
シミュレーションをして将来のイメージを持つ
自分が決めた割合で投資を続けた場合、将来的にどのくらいの資産になる可能性があるのか、シミュレーションをしてみることも大切です。新興国株を含むポートフォリオの期待リターン(想定される収益率)を計算し、30年後の景色を想像してみましょう。
例えば、年率5%程度の運用ができれば、複利の効果によって資産は雪だるま式に増えていきます。新興国株がその利回りを少しでも押し上げてくれるなら、将来の資産額には数百万、数千万の差が出るかもしれません。この具体的なイメージを持つことが、投資を続けるモチベーションになります。
ただし、シミュレーションはあくまで予測であり、必ずその通りになるわけではありません。最悪の場合、どの程度まで資産が減る可能性があるかという「下落シナリオ」もセットで考えておくことで、本当の意味で自分に合った新興国株の割合が見えてきます。
20代からの新興国株の割合と成功のためのまとめ
20代の資産運用において、新興国株の割合をどう決めるかは、将来の大きな成長を掴むための重要な決断です。基本的には、全世界の時価総額比率である10%前後を基準にし、自分のリスク許容度に応じて5%から20%の間で調整するのが、最も理にかなったアプローチといえます。
新興国株には、人口ボーナスや経済の飛躍的な発展といった魅力がある一方で、政治的不安や為替変動、情報の不透明性といった特有のリスクも存在します。これらのリスクを正しく理解し、20代という「長い運用期間」を武器にして、じっくりと腰を据えて投資に取り組むことが成功を引き寄せます。
具体的な投資方法としては、NISA口座を活用し、低コストなインデックスファンドを積み立てるのが最も効率的です。自分で比率を決めるのが難しい場合は、全世界株式(オール・カントリー)型のファンドに任せてしまうのも賢い選択です。大切なのは、特定の国や資産に偏りすぎず、自分にとって無理のないバランスを見つけることです。
投資は一度設定して終わりではありません。生活環境の変化や市場の動きに合わせて、定期的に自分のポートフォリオを見直していきましょう。20代のうちに資産運用の土台を築き、新興国の成長を味方につけることができれば、将来の選択肢は大きく広がります。この記事を参考に、あなたにとって最適な新興国株の割合を見つけ、一歩踏み出してみてください。



