「議決権行使をするとクオカードがもらえる」という話を聞いて、どの会社でも受け取れるのか、何株必要なのか気になっていませんか。株主総会の議決権行使に対してQUOカードを贈る会社は実際にあります。ただし、実施企業や対象者、金額、応募方法は会社ごとに違い、毎年続くとは限りません。
この記事では、2026年に確認できる企業の実施例をもとに、議決権行使のお礼と通常の株主優待の違い、スマートフォンや郵送での行使手順、受け取り時期、届かない場合の確認方法を整理します。QUOカード目当てで株を買う際の注意点もわかります。
議決権行使でクオカードはもらえる?条件を満たせば受け取れる会社があります

結論からいうと、議決権行使のお礼としてQUOカードを進呈する会社はありますが、すべての上場企業が実施しているわけではありません。対象となる総会で有効に議決権を行使した株主へ贈る仕組みで、金額は500円分など会社ごとに決められています。
「議決権行使のお礼」は会社が独自に設ける特典
議決権とは、株主総会で取締役の選任や配当などの議案について賛成・反対の意思を示せる権利です。会社が議決権の行使を促すため、そのお礼としてQUOカードを用意する場合があります。法律上、議決権を行使すれば金品を受け取れると決まっているわけではありません。
例えば、株主総会の招集通知に「議決権を行使いただいた株主様へQUOカードを進呈」と書かれていれば、記載された条件に従って受け取る仕組みです。逆に、配布案内のない会社に議決権を行使しても、自動的にクオカードが送られてくることはありません。
全員配布・抽選・電子行使限定の3パターンがある
もっとも確認したいのは、議決権を行使した人が全員もらえるのか、それとも抽選なのかという点です。全員配布なら条件を満たした人が対象ですが、抽選では応募しても必ず当たるわけではありません。
さらに、スマートフォンからの「スマート行使」とアンケート回答の両方を条件にする会社もあります。例えば日本カーボンの2026年の案内では、議決権行使者全員への500円分に加え、スマート行使後のアンケート回答者に抽選で500円分を追加進呈すると説明しています。日本カーボンの株主総会資料では、抽選分の応募期限も議決権行使期限までとされています。
株主優待とは別にもらえる場合がある
株主優待は、一定の株数や保有期間などを満たす株主へ商品やサービスを提供する制度です。一方、議決権行使のお礼は、実際に議決権を行使する行動が条件となるものです。両方の制度がある会社なら、条件を満たすことでそれぞれ受け取れる場合があります。
ODKソリューションズは、100株以上を保有する株主への年2回のQUOカード優待とは別に、定時株主総会で議決権を行使した株主へ500円分を贈ると案内しています。同じQUOカードでも対象となる時点や手続きが異なるため、「株主優待をもらえたから議決権行使のお礼も届く」とは考えないようにしましょう。
2026年にクオカードの議決権行使特典を案内した企業の例

制度の違いを具体的に見るため、企業が公表した情報を比較します。ここで紹介するのは2026年に確認できる事例であり、今後の株主総会でも同じ特典が継続されることを保証するものではありません。投資や行使の前には対象回の招集通知を確認してください。
| 企業・総会 | QUOカードの内容 | 主な条件・特徴 |
|---|---|---|
| スズデン(2026年6月開催の定時総会) | 500円分 | 賛否を問わず有効に行使した株主全員 |
| ODKソリューションズ(公式の株主案内) | 500円分 | 定時総会で議決権を行使。通常の株主優待とは別 |
| 日本カーボン(2026年3月開催の定時総会) | 全員500円分、条件付き抽選で追加500円分 | 追加分はスマート行使とアンケート回答が必要 |
| オルトプラス(第16回定時総会) | オリジナルデザインのQUOカード | インターネット・書面・出席で有効に行使した株主へ進呈 |
スズデンは賛成・反対を問わず500円分を発送
スズデンは2026年6月18日の「議決権行使のご案内」で、有効に議決権を行使した株主全員に、議案への賛否を問わずQUOカード500円分を贈ると公表しました。対象者を「全員」と明記しているため、抽選型の企画とは区別できます。
同社は8月上旬を発送の目安とし、2026年8月7日付の公式ニュースで500円分を発送したと告知しています。議決権行使の案内と発送のお知らせのように、募集案内と発送案内を両方公開する会社もあります。
ODKソリューションズは通常の優待と合わせて考えやすい
ODKソリューションズの個人投資家向けページでは、100株以上の保有に対して年2回の株主優待があり、3年未満は各500円分、3年以上は各1,000円分と説明されています。それとは別に、定時株主総会での議決権行使に500円分を設けています。
同社は議案の賛否を問わないことも明記しています。ただし、株価や配当、優待制度は将来変わり得ます。公式ページにある利回りの例は2026年3月31日の株価を用いた計算であり、現在の利回りではありません。詳しくはODKソリューションズの個人投資家向け情報で確認できます。
日本カーボンの例は「追加抽選」の見落としに注意
日本カーボンでは、2026年の株主総会資料で行使方法を問わず全員に500円分を進呈する旨を案内したうえで、スマート行使とアンケート回答を行った人から、応募者10名につき1名の割合で追加の500円分が当たる企画を実施しました。
つまり、郵送で議決権を行使した人は基本のお礼の対象でも、追加抽選の条件は満たしません。反対に、スマート行使だけしてアンケートを忘れた場合も、抽選に応募できない可能性があります。この違いを読み取ることが大切です。特典の条件は年度や会社によって異なります。
議決権行使でクオカードを受け取れる株主の条件

QUOカード配布の案内を見つけても、誰でも株を買えば対象になるとは限りません。株主として議決権を持っていることと、会社が指定する対象条件を満たすことの両方が必要です。
多くの国内上場株は100株で1単元の議決権がある
国内の上場株式は通常100株を1単元として取引されます。議決権も原則として単元株数に応じて発生するため、一般的な100株単元の会社で10株や50株だけ持っていても、その株数だけでは株主総会の議決権はありません。単元未満株サービスを使っている人は、特に確認しましょう。
なお、実際の取扱いは株式の種類や保有の仕組みで変わります。金融経済教育推進機構の単元株の説明を参考にしつつ、証券会社の保有明細と招集通知に記載された「議決権の数」を見るのが確実です。
権利確定日の株主名簿に載っている必要がある
株主総会の議決権は、会社が定める基準日時点の株主に与えられます。したがって、招集通知が届いてから株を買っても、その総会の議決権を取得できるとは限りません。株を買うタイミングを間違えると、QUOカードのお礼を受ける前提そのものが満たせなくなります。
上場株式では、権利付き最終売買日までに必要株数を購入することが一般的です。ただし、議決権の基準日は必ずしも配当や通常の株主優待の基準日と同じとは限りません。企業のIR情報や株主総会資料で対象となる基準日を確認してください。
保有株数が多いほどカード枚数が増えるとは限らない
「100株で500円分なら、1,000株で5,000円分もらえるのでは」と考えるかもしれません。しかし、議決権行使のお礼が「株主1名につき1回」とされていれば、保有株数が増えても配布額は変わりません。これは議決権の個数とお礼品の数量が別の基準で決まるためです。
同じ会社の株を複数の証券口座で保有していても、同一名義での保有が1人の株主として扱われる場合があります。QUOカードを増やすためだけに口座を分ける方法は期待どおりにならないことがあります。配布単位が「1株主」「1議決権」「1名義」のどれなのか、企業の説明を優先しましょう。
クオカードを受け取るための議決権行使方法

対象の株主には、株主総会の開催前に招集通知や議決権行使書が届きます。会社が認める方法から選んで期限内に行使すればよく、原則として株主総会の会場に足を運ぶ必要はありません。ただし、お礼の対象となる行使方法は企業の案内で確認してください。
スマートフォンならQRコードから手続きできる
「スマート行使」に対応する会社なら、議決権行使書に印刷されたQRコードをスマートフォンで読み取ります。画面に表示された議案を確認し、賛成・反対を選んで送信する流れです。三井住友信託銀行の説明では、「行使受付完了」と表示されれば手続きが完了します。
QRコード方式ではコードやパスワードを手入力せずに進められることがあり、初めてでも比較的使いやすい方法です。ただし、スマート行使に未対応の会社もあります。手順は三井住友信託銀行の公式FAQで紹介されています。
郵送は行使書に賛否を記入して返送する
紙の議決権行使書を使う場合は、議案ごとの賛否を記入して返送します。提出方法や記入欄は同封の用紙を確認してください。投函した日ではなく、会社が指定した期限までに到着することが必要なケースが多いため、締め切り直前の郵送は避けるほうが安心です。
全員配布型の中には郵送も対象にする会社がありますが、電子行使限定の抽選企画には参加できない場合があります。紙での手続きが簡単に感じられる人でも、追加特典を希望するなら行使方法の指定を先に読んでおきましょう。
パソコンや株主総会への出席でも行使できる
パソコンなどで議決権行使専用サイトにアクセスし、議決権行使書に記載されたコードとパスワードを入力する方法もあります。また、株主総会に出席して会場で行使する方法もあります。実際にどの方法を採用するかは会社によって異なります。
一部の企業では会場での行使もQUOカード配布の対象ですが、来場記念品と議決権行使のお礼は別の制度です。例えば「来場者へのお土産なし」と書いてあっても、事前の議決権行使のお礼が存在する場合があります。会場で何かもらえると決めつけず、対象行為を確認してください。
議決権行使のクオカードはいつ届く?発送時期と確認先

議決権を行使しても、その場ですぐQUOカードがもらえるとは限りません。多くの場合、株主総会終了後に会社が対象者を確認して発送するため、しばらく待つことになります。発送予定日は招集通知や会社のIRニュースで確認できます。
発送日は企業ごとに違い、数週間から数か月後の例もある
スズデンは2026年6月の定時株主総会に関する案内で8月上旬の発送を予定し、実際に8月7日の発送を公表しました。一方、オルトプラスは2025年12月に開催した第16回定時株主総会のお礼について、2026年3月23日の発送予定日を案内しました。
このように、同じ「議決権行使のお礼」でも発送時期にかなり差があります。株主総会から1か月以内と決めつけたり、他社の到着報告を自分の保有銘柄に当てはめたりするのは避けましょう。オルトプラスの発送日案内のように、企業が後日改めて日程を告知することもあります。
郵送で届く場合は株主名簿上の住所が重要
紙のQUOカードを贈る制度では、株主名簿の住所へ郵送する方式が使われます。引っ越し直後などで登録住所が古いと、発送されても届かない可能性があります。証券会社を通じて株主情報を管理している場合は、登録先住所を見直しておきましょう。
デジタルギフトのQUOカードPayを配布する企画では、受取方法が異なることがあります。紙のカードとQUOカードPayは同じものではないため、メールで届くのか、郵便で届くのかを募集要項で確認してください。
届かない場合は予定日と行使履歴を照らし合わせる
発送予定日を過ぎても届かないなら、まず企業の最新のお知らせを確認しましょう。「発送日」は「全員に届く日」ではありません。郵便事情による数日の違いが起こり得るため、発送したと発表された日だけで未着と判断する必要はありません。
そのうえで、議決権行使が有効に完了したか、期限内だったか、応募条件にアンケート回答が含まれていなかったかを点検します。企業が問い合わせ先として信託銀行の証券代行部などを指定している場合は、その窓口に確認してください。
クオカードがもらえない主な理由と対処法

「確かに投票したのに届かない」という場合でも、制度そのものがないケースと、行使・応募の条件を満たしていないケースでは対処法が違います。原因を一つずつ切り分けると、問い合わせ時にも説明しやすくなります。
そもそもその年は配布していない
最初に見直すべきなのは、参考にした情報が何年のものかです。過去にQUOカードを進呈した会社でも、翌年に同じ制度を続けるとは限りません。特別な議案の成立を目的に一度限り実施する可能性もあり、旧年度のブログ記事やSNS投稿だけでは判断できません。
確認する際は「会社名+第○回定時株主総会+議決権行使」で検索し、対象となる招集通知と企業のIRニュースを見ます。2026年の資料にお礼の記載があっても、2027年の実施については別途確認が必要です。
受付完了前に画面を閉じた・締め切りを過ぎた
スマート行使の画面を途中まで操作しただけでは、議決権行使が完了していないことがあります。三井住友信託銀行のFAQでは、QRコードを再び読み取り、完了日時が表示されれば受付済みと確認できる旨が案内されています。時間に余裕があるうちに、受付完了表示を確かめておくと安心です。
また、郵送とネットでは指定時刻までの到着・入力完了が必要な場合があります。期限の当日夜なら間に合う、と考えるのは危険です。会社によって午後5時や5時30分など細かな違いがあるため、書面の日時を優先してください。
抽選に外れた・アンケートへの回答を忘れた
全員配布でなく抽選の場合は、条件を満たしていても落選する可能性があります。さらに、スマート行使だけで応募が完了する制度もあれば、行使後に画面へ表示されるアンケートへの回答まで必要な制度もあります。
日本カーボンの2026年の追加抽選は後者の例です。カードが届かないときは、通常のお礼と追加抽選を混同していないか、応募を最後まで終えたかを整理しましょう。抽選の当落を個別に通知しない方式では、未着が落選を意味する場合もあります。
クオカード目当てで株を購入してもお得とは限らない理由

500円分や1,000円分のQUOカードは魅力ですが、そのためだけに株を買う場合は費用と損失の可能性を比較する必要があります。配布が一度きりなら、株価の小さな変動で特典の価値を超える損失が出ることもあります。
株価の値下がりはQUOカードの金額を上回りやすい
仮に株価600円の銘柄を100株購入すると投資額は6万円です。その後、株価が10円下がれば評価額は1,000円減ります。500円分のQUOカードをもらっても差し引き500円分の損失が残る計算です。売買手数料などがかかる場合は、それも考慮しなければなりません。
株を買ってすぐ売る予定なら、権利付き最終売買日を挟んだ値動きも気になります。株主優待や配当の権利落ちに伴って株価が動く可能性もあるため、特典が実質的に無料でもらえると考えないほうがよいでしょう。
年1回のお礼を高い利回りと誤認しない
たとえば投資額5万円で年1回500円分のQUOカードをもらうなら、カード相当額だけを単純計算した割合は1%です。しかし、これは税金や費用、株価の変動を考慮した投資利回りではありません。また、カードを現金と全く同じように使えるとは限らず、加盟店などの利用条件もあります。
株主優待や配当もある会社では、すべてを合算した「総合利回り」の数字が示されることがあります。ただし、優待が必要株数や長期保有条件を満たす場合だけだったり、議決権行使のお礼が翌年には廃止されたりすれば、想定額は変わります。内訳を分けて計算することが大切です。
企業の業績と配当方針を先に見て判断する
購入候補を絞る際は、QUOカードの有無よりも、企業の事業内容、収益、財務状況、配当方針を先に確認するのがおすすめです。もともと中長期で保有したい銘柄が議決権行使のお礼を実施しているなら、追加の楽しみとして受け止めやすくなります。
一方、特典の発表だけを理由に、よく知らない企業へ資金を集中させるのは慎重に考えるべきです。株主にとって議決権は経営方針へ意思を示す権利でもあります。QUOカードを受け取る目的があっても、議案内容を確かめたうえで投票しましょう。
議決権行使とクオカードに関するよくある疑問

最後に、初めて議決権を行使する人が迷いやすい点を整理します。会社ごとの規定が優先されますが、基本的な考え方を知っておくと招集通知を読みやすくなります。
議案に反対してもQUOカードをもらえますか?
「賛否を問わない」と明記されている会社なら、反対票を投じても配布対象です。実例として、スズデンやODKソリューションズは賛否を問わない旨を公表しています。お礼を受け取りたいからといって、すべての議案に賛成しなければならないわけではありません。
もっとも、行使書に賛否を未記入の場合の取扱いは別の問題です。未記入の議案が一定の賛否として扱われる会社もあるため、自分の意思を示したいなら必ず議案を読んで選択してください。
ネットと郵送で二重に投票するとカードも2枚届きますか?
通常は届きません。同一の株主が同じ株主総会で複数の方法を使っても、進呈対象が株主1人単位なら2人分として扱われるわけではないためです。投票内容そのものについても、重複した場合の優先順位が各社の招集通知に定められています。
例えば、インターネットによる行使を優先する会社や、ネットで複数回行使したときは最後の内容を有効とする会社があります。アルフレッサ ホールディングスの議決権行使案内には、その取扱いが説明されています。
スマート行使をしないとクオカードはもらえませんか?
必ずしもそうではありません。郵送や株主総会への出席も対象にする会社がある一方、スマート行使利用者だけを抽選対象にする企画もあります。「議決権行使者全員」と「スマート行使利用者限定」を読み分ける必要があります。
また、スマート行使に対応していない会社も存在します。QRコードが見当たらなければ、同封の議決権行使書に記載されたほかの方法を使いましょう。スマートフォンがなくても行使できる会社は多くあります。
NISA口座で株を保有していても対象になりますか?
NISAは株式の売却益や配当などに関する非課税制度であり、議決権行使のための株主資格を決める制度ではありません。NISA口座で保有する場合でも、対象株数と基準日などの条件を満たして議決権が付与されれば、議決権行使のお礼の対象になり得ます。
ただし、「NISAだから自動的にもらえる」「NISAの非課税枠に入っているからQUOカードの税務上の取扱いも同じ」といった理解は適切ではありません。受け取った物品の税務上の扱いが気になる場合は、税務署や税理士に個別に確認してください。
まとめ|議決権行使のクオカードは対象企業と条件の確認が大切
議決権行使でQUOカードをもらえる会社は実際にあります。2026年にはスズデンが行使者全員への500円分を案内し、ODKソリューションズも通常の株主優待と別の議決権行使特典を紹介しています。一方、日本カーボンのように、追加分についてスマート行使とアンケート回答を条件にした抽選企画もあります。
受け取るには、対象の株主として議決権を持ち、指定された方法で期限内に有効な行使をすることが基本です。カードの発送時期は会社によって違うため、招集通知とIRニュースを確認しましょう。
すでに保有している株に特典があれば見逃さず活用する価値があります。ただし、QUOカードだけを目当てに株を購入せず、株価変動や企業の業績も考えて判断することをおすすめします。


