PERの目安は業種別でどう違う?2026年の平均一覧と割安株を見分ける方法

PERの目安は業種別でどう違う?2026年の平均一覧と割安株を見分ける方法
PERの目安は業種別でどう違う?2026年の平均一覧と割安株を見分ける方法
投資銘柄とトレンド

PERの目安を調べると「15倍なら標準」「10倍以下は割安」といった説明を見かけます。しかし、同じPER15倍でも銀行株とIT関連株では評価の意味が変わります。業種別の水準を知らずに数字だけで判断すると、割安に見える銘柄のリスクを見落とすことがあります。

この記事では、2026年9月末時点の東証プライム市場の業種別PERを一覧で比較し、業種によって差が生まれる理由を説明します。平均値や過去水準の読み方、PBR・利益成長率との組み合わせまで整理するので、自分が検討している株のPERをどう評価すればよいか判断しやすくなります。

  1. PERの目安は業種別に異なる|15倍だけで割安・割高は決められない
    1. PERとは株価が1株当たり利益の何倍かを示す指標
    2. 「PER15倍が普通」という目安の使いどころ
    3. 最初に比較すべきは同業他社と自社の過去水準
  2. 2026年9月末の業種別PER一覧|東証プライム33業種の比較
    1. PERが高い業種は電気機器・サービス業など
    2. PERが低い業種でも、そのまま割安とはいえない
    3. 業種全体の数字と個別銘柄は同じではない
  3. 業種によってPERの目安に差が出る4つの理由
    1. 成長が期待される企業には高い倍率が付くことがある
    2. 景気敏感業種は利益の山と谷でPERが変わりやすい
    3. 安定性や配当期待によって評価が変わる
    4. 一時的な利益の増減で業種平均も動く
  4. 業種別PERの平均・中央値・予想PERを正しく読む方法
    1. 加重平均と単純平均では影響する企業が違う
    2. 中央値は一部の極端な企業に左右されにくい
    3. 予想PERと実績PERは混ぜて比較しない
    4. 赤字企業や利益が極端に少ない企業の扱いに注意
  5. 業種別PERを使って割安株を見分ける実践的な手順
    1. 手順1:同業種の平均と近い事業の企業を比べる
    2. 手順2:自社の過去PERと利益見通しを確認する
    3. 手順3:PBR・ROE・財務状況を組み合わせる
    4. 手順4:将来の利益が変わった場合を試算する
  6. PERの業種別目安でよくある疑問
    1. PER10倍以下ならどの業種でも割安ですか?
    2. PER20倍や30倍の株は買わないほうがよいですか?
    3. 銀行とIT企業のPERは直接比較できますか?
    4. 最新の業種別PERはどこで確認できますか?
  7. まとめ|PERの目安は業種別の水準と利益の中身で判断する

PERの目安は業種別に異なる|15倍だけで割安・割高は決められない

PERには、すべての業種に共通する「この倍率以下なら割安」という正解はありません。一般的な目安として15倍前後が挙げられることはありますが、成長期待や業績の安定性によって妥当とされる倍率は変わります。同じ業種の企業や、その企業自身の過去のPERと比べるのが基本です。

PERとは株価が1株当たり利益の何倍かを示す指標

PER(株価収益率)は、株価を1株当たり利益(EPS)で割った数字です。例えば株価が2,000円、EPSが100円ならPERは20倍になります。年間利益に対して株価がどれほど高く評価されているかを確認できるため、株式投資でよく使われています。

計算式は「PER=株価÷EPS」です。PER10倍なら利益1円につき株価が10円、PER30倍なら30円の評価を受けているイメージです。ただし、PERは実際に何年で投資資金を回収できるかを保証する数字ではありません。利益は毎年変動し、すべてが配当に回るわけでもないためです。

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公開するPERの説明でも、一定の妥当水準を決めつけず、過去や同業他社との比較に使う考え方が示されています。

「PER15倍が普通」という目安の使いどころ

15倍という数字は、PERの高低を初めて確認するときの大まかなものさしにはなります。しかし、そこを境目に「14倍は買い、16倍は見送り」と判断する方法ではありません。日本株全体の平均も相場環境で変わるため、15倍がいつでも市場平均になるとは限りません。

例えば同じPER20倍でも、今後の利益が毎年大きく増える会社と、売上がほぼ横ばいの会社では見方が異なります。前者は将来の利益拡大を織り込んでいる可能性があり、後者は現在の利益に対して高く評価されすぎているかもしれません。

まずPERの倍率を確認したうえで、どの業種の会社か、将来の利益にどの程度の期待が集まっているかを確かめることが大切です。

最初に比較すべきは同業他社と自社の過去水準

銀行と半導体関連企業をそのまま比べるより、銀行同士、半導体関連企業同士で比べたほうが、利益構造や成長期待の違いを小さくできます。同業種の中でも海外比率や事業内容によって差があるので、細かい事業の近い企業を選ぶと判断しやすくなります。

あわせて、その企業の過去3〜5年ほどのPERレンジを確認します。普段10〜15倍で推移してきた企業が一時的に8倍になっているなら、低下した理由を調べる価値があります。ただし、業績悪化や事業環境の変化があると、過去の倍率がそのまま適用できるとは限りません。

PERを見る順番は「同業種の水準を確認する → 自社の過去と比べる → 予想利益が妥当か調べる」です。倍率だけで購入を決めないことが重要です。

2026年9月末の業種別PER一覧|東証プライム33業種の比較

現在の水準を具体的に把握するため、東証プライム市場の33業種を一覧にしました。以下は2026年9月末の連結・加重平均PERです。日本取引所グループの公表統計を基にしたKabuGraphの集計表示を参照しています。倍率は時点が変われば変動します。

業種 PER(2026年9月末)
水産・農林業 11.4倍
鉱業 11.6倍
建設業 12.0倍
食料品 24.0倍
繊維製品 37.1倍
パルプ・紙 15.7倍
化学 23.1倍
医薬品 24.3倍
石油・石炭製品 13.0倍
ゴム製品 13.8倍
ガラス・土石製品 18.6倍
鉄鋼 21.4倍
非鉄金属 24.7倍
金属製品 21.1倍
機械 25.4倍
電気機器 44.8倍
輸送用機器 16.3倍
精密機器 31.4倍
その他製品 22.3倍
電気・ガス業 14.3倍
陸運業 13.0倍
海運業 13.5倍
空運業 9.2倍
倉庫・運輸関連業 14.4倍
情報・通信業 13.0倍
卸売業 17.3倍
小売業 27.7倍
銀行業 18.4倍
証券、商品先物取引業 10.6倍
保険業 12.9倍
その他金融業 14.8倍
不動産業 13.2倍
サービス業 41.3倍

この集計ではプライム市場全体が20.6倍、スタンダード市場全体が19.1倍、グロース市場全体が58.4倍でした。ただし、対象企業や利益状況が異なるため、市場区分の数字を単純に「グロース企業は必ず割高」と読むことはできません。

PERが高い業種は電気機器・サービス業など

2026年9月末の表では、電気機器44.8倍、サービス業41.3倍、繊維製品37.1倍、精密機器31.4倍が高い水準です。電気機器には半導体関連など、業績の変化が大きく投資家の期待を集めやすい分野が含まれます。ただし「電気機器なら40倍でも妥当」と一般化するのは適切ではありません。

特に注意したいのは、業種平均が高くなる原因が必ずしも強い成長期待だけではないことです。一時的に利益が小さくなると、株価があまり変わらなくてもPERが急上昇します。業種全体で利益が減っている場合も同じことが起こります。

高PERの銘柄を検討するときは、今後の利益成長によって倍率が下がる見通しがあるか、受注や市場規模などの根拠を確認しましょう。

PERが低い業種でも、そのまま割安とはいえない

同じ時点の表では、空運業9.2倍、証券・商品先物取引業10.6倍、鉱業11.6倍、建設業12.0倍などが相対的に低い倍率です。数字だけを見ると魅力的ですが、景気や原材料価格、金利、為替といった外部要因で利益が変わる企業も多くあります。

例えば資源や海運関連の企業では、好況期に利益が大きく増えてPERが低く見えることがあります。ところが、その利益が長く続かないなら、低PERが将来の業績悪化を反映している可能性もあります。逆に安定して利益を出し続ける企業なら、低い倍率が投資の検討材料になります。

「低いPER=安い株」ではなく、「なぜ低い評価なのか」を説明できるかが大切です。

業種全体の数字と個別銘柄は同じではない

表の数値は業種に属する企業をまとめたものです。特定の会社が必ずその倍率で評価されるわけではありません。例えば情報・通信業の業種平均が13.0倍でも、個別には高い利益成長率を評価され30倍以上の会社もあれば、成長が鈍化して10倍を下回る会社もあります。

加重平均は業種全体の時価総額と利益を使うため、規模の大きな企業や利益構成の影響を受けます。対象企業数の少ない業種では一部企業の決算によって数字が大きく変化しやすく、短期の変動を通常の水準と決めつけるのは危険です。

一覧は業種ごとの位置関係をつかむための資料と考え、購入を検討する段階では個別銘柄の予想PERと事業内容まで確認してください。

業種によってPERの目安に差が出る4つの理由

業種別のPERに大きな開きがあるのは、企業の将来利益に対する期待や不安が異なるためです。水準を理解するには、数字が高い・低いという結果だけでなく、その背景を見る必要があります。

成長が期待される企業には高い倍率が付くことがある

売上や利益が今後も伸びると期待される企業は、現在の利益に対して高い株価が付くことがあります。仮にEPSが100円、株価が3,000円ならPER30倍です。翌年にEPSが150円へ増え、株価が変わらなければPERは20倍に下がります。

このように、将来の利益成長が見込まれる企業では、現在のPERが高くても評価を説明できる場合があります。ただし、利益成長が予想を下回れば株価も下落しやすくなります。期待が大きい企業ほど、決算発表での上方修正・下方修正や成長率の鈍化に注意が必要です。

成長率の見通しを確認するときは、売上だけでなく利益率や設備投資負担が変わらないかも調べましょう。

景気敏感業種は利益の山と谷でPERが変わりやすい

自動車、素材、海運、機械などには、景気や需要の波を受けやすい企業があります。好景気に売上と利益が大きく伸びるとPERは低下し、不景気に利益が落ち込むとPERは上昇します。株価が上昇したからPERが高くなる、という単純な動きだけではない点が特徴です。

例えばEPSが200円から50円に減れば、株価2,000円が変わらなくてもPERは10倍から40倍になります。見た目のPERが高い時期ほど業績が悪く、反対に低い時期ほど利益がピークにあることも考えられます。

こうした企業では、単年度のPERに加えて、数年間の平均的な利益や受注、商品市況などを確認したほうが実態に近づきます。

安定性や配当期待によって評価が変わる

利益が急成長しなくても、景気後退時に業績が落ちにくい企業や、安定的な配当が見込まれる企業は一定の評価を受けることがあります。逆に競争激化や規制変更の影響を受けやすい業種では、成長率が同程度でも低い倍率にとどまる場合があります。

電力・ガス、食品、生活必需品などは一見すると安定していそうですが、原材料高や価格転嫁の難しさ、設備更新費用などが利益に影響します。業種名から安定性を決めつけず、実際の決算で利益変動やキャッシュフローを確認することが必要です。

高配当株を探す場合も、配当利回りだけでなく減配の可能性と利益水準の持続性を合わせて考えましょう。

一時的な利益の増減で業種平均も動く

企業が保有資産を売却した利益や、減損損失などを計上すると、最終利益が一時的に大きく変化します。PERは最終利益を基に計算するため、本業の実力が変わらなくても数値が大きく上下します。特に企業数の少ない業種や赤字企業の多い区分では影響が目立つことがあります。

また、決算期の違いや企業ごとの業績予想の修正によって、同じ時点に表示されたPERでも前提が異なる場合があります。比較前に「実績PERか予想PERか」「連結か単体か」をそろえておくと、思わぬ誤解を減らせます。

PERが急に上昇しても、株価が上がったとは限りません。利益が急減しただけで高PERになることもあるため、株価とEPSの両方の変化を確認してください。

業種別PERの平均・中央値・予想PERを正しく読む方法

業種平均を比較する場合、計算方法が違う数値を並べないことが重要です。「業種の平均PER」という同じ名前でも、加重平均・単純平均・中央値では異なる結果になります。

加重平均と単純平均では影響する企業が違う

単純平均は各社のPERを足して企業数で割る方法です。一方、東証が公表する加重平均PERは、対象企業の時価総額の合計と利益の合計を使って計算します。そのため、一部の高PER企業が単純平均を大きく押し上げても、加重平均では別の数字になることがあります。

例えば、ある業種にPER10倍・15倍・80倍の3社があれば、単純平均は35倍です。しかし80倍の会社の規模が小さければ、業種全体をまとめた加重平均は35倍とは限りません。反対に大企業の利益が落ち込むと、加重平均が大きく動くこともあります。

市場全体の評価を見るなら加重平均、典型的な会社を知りたいなら中央値というように目的に合わせて使い分けると便利です。

中央値は一部の極端な企業に左右されにくい

中央値は各社のPERを小さい順に並べたときの真ん中の値です。先ほどの10倍・15倍・80倍という3社なら中央値は15倍で、単純平均35倍よりも一般的な企業の水準に近くなります。極端に高いPERの企業が混ざりやすい業種では、中央値が参考になります。

ただし、中央値にも弱点があります。時価総額が大きい企業も小さい企業も同じ一社として扱うため、その業種への投資資金全体の評価を示すわけではありません。また、赤字でPERを計算できない企業を除外している統計では、対象の選び方によって結果が変わります。

業種の特徴を知るなら中央値、相場全体の評価を見るなら加重平均を併用すると、片方だけではわからない偏りを見つけやすくなります。

予想PERと実績PERは混ぜて比較しない

実績PERはすでに確定した利益を使用し、予想PERは会社予想や市場予想などの将来利益を使用します。成長企業では予想利益が大きくなることがあり、予想PERが実績PERより低くなるケースがあります。反対に減益予想なら予想PERが高くなる場合もあります。

例えば株価2,000円で前期EPS100円なら実績PERは20倍です。今期予想EPSが125円なら予想PERは16倍になります。これを別の銘柄の実績PER16倍と比べても、基準となる利益の期間が異なるため単純比較はできません。

比較するときは、使っている利益の年度と予想の更新日まで確認しましょう。予想数字は将来の結果を保証するものではありません。

赤字企業や利益が極端に少ない企業の扱いに注意

EPSがマイナスの赤字企業では、通常の意味でのPERは使えません。サイトによって「—」「N/A」「算出不可」と表示されます。利益がゼロに近い企業でも、PERが何百倍にもなって比較の意味が薄くなることがあります。

特に研究開発中の企業や事業転換期の企業は、現時点のPERだけで評価するのが難しい場合があります。売上成長、営業利益、現金残高、資金調達の見通しなど、別の指標も必要です。赤字だから必ず投資対象外というわけではありませんが、PERを無理に当てはめるべきではありません。

東証の月次「規模別・業種別PER・PBR」では、連結・単体などの区分が用意されています。時系列で比較する際は、同じ市場区分と同じ計算方法の数字を選んでください。

業種別PERを使って割安株を見分ける実践的な手順

PERは候補銘柄を絞るときに便利ですが、単独では購入理由になりません。業種の平均、利益の安定性、企業の成長性を順番に確認すると、見た目だけの割安株を避けやすくなります。

手順1:同業種の平均と近い事業の企業を比べる

最初に、気になる企業がどの業種に分類されているか確認し、その業種のPERと比べます。例えば業種平均が20倍で、候補銘柄が12倍なら相対的に低い評価だとわかります。ただし、その会社の成長率や負債、利益率が同業より弱ければ低い倍率にも理由があります。

そのため、同じ業種から3〜5社程度を選び、予想PER、売上成長率、利益率、自己資本比率などを並べる方法が実用的です。複数の事業を持つ企業では、業種分類だけでは比較対象が合わないケースもあるので、売上構成が近い会社を優先しましょう。

候補の数字を並べた後は、低PERの理由を決算資料や中期経営計画から探します。説明できない安さには注意が必要です。

手順2:自社の過去PERと利益見通しを確認する

業種平均との比較で候補を絞ったら、その企業の過去のPERの推移を確認します。普段12〜18倍の会社が10倍になっている場合、株価が下落したのか、利益予想が改善したのかで意味が変わります。株価下落の理由が一時的な懸念なら見直しの余地がありますが、長期的な競争力の低下なら過去の平均へ戻らないこともあります。

具体的には直近数年のEPS、会社の今期予想、来期の成長見通し、業績修正の傾向を確認します。コスト上昇や設備投資、為替の影響を受けやすい場合は、楽観的な予想だけで評価しないことも大切です。

過去のPERより低いという事実は「調べる理由」にはなりますが、それだけで上昇するという意味ではありません。

手順3:PBR・ROE・財務状況を組み合わせる

PERが低い会社を見つけたら、PBR(株価純資産倍率)とROE(自己資本利益率)も確認します。PBRは純資産に対して株価が何倍かを示し、ROEは自己資本を使ってどれだけ利益を生み出したかを示します。PERだけでは見えない収益性や財務面の特徴を補えます。

例えばPER10倍・PBR1倍の企業と、PER10倍・PBR2倍の企業では、同じ利益倍率でも純資産に対する評価が異なります。概念上はPBRとPERの関係から収益性も読み取れますが、会計上の自己資本の扱いなどで単純に一致しない場合もあります。

さらに有利子負債や営業キャッシュフロー、配当性向も確認すると、好業績が継続しそうか、配当が無理なく支払われているかを判断しやすくなります。

手順4:将来の利益が変わった場合を試算する

PERが低く見える銘柄でも、来期に利益が減ると倍率はすぐ上がります。例えば株価1,500円、予想EPS150円ならPER10倍ですが、EPSが100円へ減れば同じ株価で15倍です。現在のPERだけでなく、利益が2割、3割減った場合も計算してみると、どれだけ利益の見通しに依存しているかがわかります。

反対にEPSが150円から180円へ伸びるなら、株価が変わらない場合のPERは約8.3倍です。もちろん株価も変わるので、試算は将来の株価予測ではありません。業績が良い場合と悪い場合の両方を考え、下振れしても保有し続けられるかを検討しましょう。

実践では「業種平均より低いか」だけでなく、「利益が減っても割安といえるか」を確かめると判断が安定しやすくなります。

PERの業種別目安でよくある疑問

実際に銘柄を探す際によく迷うのが、具体的な倍率をどう判断するかという点です。よくあるケースを整理します。

PER10倍以下ならどの業種でも割安ですか?

PER10倍以下は相対的に低い水準を示すことがありますが、必ず割安というわけではありません。景気が良い年だけ利益が膨らんでいる企業や、今後の大幅減益が予想される企業は、低い倍率でも投資家から慎重に見られます。

同じ10倍でも、安定して利益が出る企業と、来年の利益が半分になりそうな企業では意味が違います。業種の水準、数年分の利益推移、財務状況まで確認してください。PERだけで判断しないことが、低PER投資で特に大切な点です。

PER20倍や30倍の株は買わないほうがよいですか?

20倍や30倍を超えるからといって、一律に投資対象から外す必要はありません。継続的に利益が成長している企業なら、現在の倍率が高くても将来のEPS増加によってPERが下がる可能性があります。

もっとも、高PERほど市場の期待に届かなかったときの値下がりに注意が必要です。市場規模や競争力、会社予想の実現可能性を確認してから判断しましょう。「高い倍率を正当化できる成長があるか」を具体的に説明できることが目安になります。

銀行とIT企業のPERは直接比較できますか?

数字そのものは比較できますが、同じ基準で割安・割高を決めるのは難しいです。銀行は金利や与信費用、規制などの影響を受け、IT関連企業は技術変化、研究開発、契約継続率などが評価に関わることがあります。利益を生む仕組みが違うためです。

まず同じ業種の中で相対的に低いかを比べ、異業種間では利益成長率や財務リスクを確認してから総合的に評価しましょう。なお、情報・通信業にも通信会社やソフトウェア企業など幅広い会社が含まれるため、同じ業種分類でも事業内容に目を向ける必要があります。

最新の業種別PERはどこで確認できますか?

日本株については、日本取引所グループの「規模別・業種別PER・PBR」を確認するのが基本です。月末時点の連結・単体データが公開されており、継続して推移を追えます。個別銘柄については証券会社の銘柄情報や企業の決算資料で予想EPSを確認するとよいでしょう。

なお、業種別の数字は通常、リアルタイムで更新されるわけではありません。記事に掲載した2026年9月末の値も、その後の株価変動や決算発表で変わります。最新の数字を見るときは、必ず対象年月と市場区分、予想か実績かを確かめてください。

まとめ|PERの目安は業種別の水準と利益の中身で判断する

まとめ
まとめ

PERの目安を考える際は、「15倍以下なら割安」という一律の基準を使うのではなく、同じ業種の平均や中央値、その企業自身の過去の推移を確認することが基本です。2026年9月末の東証プライム市場でも、業種によってPERは大きく異なり、同じ倍率を同じ意味で評価することはできません。

実際の銘柄選びでは、予想PERの前提となるEPSが妥当か、利益が一時的に増減していないかを確かめましょう。そのうえでPBRやROE、財務状況、将来の利益成長を組み合わせると、単に数字が低い株と、評価を見直す余地がある株を区別しやすくなります。

業種別PERは「買う・買わない」を決める答えではなく、企業の評価に疑問を持ち、理由を調べるための指標として活用するのがおすすめです。

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